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都市伝説

華 木耳さんによる都市伝説にまつわる怖い話の投稿です

うろこ
短編 2025/04/09 15:41 718view
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私の友人Aさんが体験した話です。
子供の頃って何かと呪いやら噂話が
流行る時期ってあるじゃないですか。
Aさんが小学3年生の頃にも学校で
いろんな噂やお呪いが流行っていたんだとか。
こっくりさんやトイレの花子さんなど
王道てきなやつがほとんどだったらしいのですが、
特に異質だったのが『うろこうつし』。
川や海などで悪さをすると腕や手にうろこができるって
噂で、対処法としては悪さをした場所へ行き
『うろこ様うろこ様お供え物でございます』
と唱えてお米数粒と自分の大事なものを1つお供えする。
すると翌日にはうろこが消えていると言う物でした。
しかし、それ以外のもういとつ逃れる方法が噂に上がったそうです。
それが『うろこうつし』。
体に現れたうろこを我慢して一枚剥いで、
相手に気づかれずに服や持ち物に忍ばせると
自分のうろこが消え、相手に移すことができると言う
少々呪い的な意味を持つものでした。
最初のうちはちょっとしたイタズラや嫌がらせ程度で
子どもたちの間で流行ってい他らしかったのですが、
あるととAさんのクラスメイトの一人がある日を境に
不登校になりました。

割と中も良く何かと一緒に遊んでいた女の子だったのもあり、
Aさんは心配し先生に尋ねたそうです。
しかし、先生からは歯切れの悪いなにか言いにくそうな雰囲気で
詳しくは教えてくれませんでした。
Aさんはどうしても気になってその子の家を訪ねました。
すると、その子のお母さんが出迎えてくれて
少し複雑そうな顔で
『ごめんね、今うちの子…体調崩してるの』
と遠回しに帰って欲しそうなニュアンスで微笑みました。
Aさんは腑に落ちないものの、これ以上いてもあげてはくれないと
諦めお母さんに一礼しその家を後にしたそうです。
自宅帰る道すがら、Aさんはさっきのお母さんの服装にを
思い出していました。
真夏日だというのに手袋にマスクまでして
おまけに玄関を締める際、手首に変なできものが
見えた気がしました。
Aさんは次の日、またその子の家に行きこっそりと
裏のブロック屏を登り庭へと侵襲し、窓から中を覗きました。
昨日と同じ時間たいなのに、誰もいない様子でした。
息を殺して移動し、違う窓から中を覗くと
何か動くのが見えました。
薄暗いせいかよく見えず、Aさんは窓に顔を押しあえて
さらに覗き込みました。

すると、奥に割と大きな水槽が見えました。
前にその子が飼ってると言っていた熱帯魚の水槽で、
中には鮮やかな模様の魚が群れで泳いでいます。
Aさんが夢中で覗いてると、ふいに視線を感じ水槽の
すぐ横を見るとこちらを凝視するふたつの目がありました。
その瞬間、Aさんは金縛りにあったように動けず
嫌な汗が全身から噴き出していました。
Aさんが動けずにいると、窓越しにこちらを見ている二つの目が
徐々にこちらに近づいてくる。
そして目の間前までそれが来た時に、Aさんはそれがクラスメイトの
女の子であると気付きました。
血走って視点の定まらない目、開きっぱなしでヨダレを垂らした口、
そして顔や腕に無数にあるうろこ。
Aさんはあまりの恐怖にその場で失禁し膝から崩れ落ち、
這うようにして裏の勝手口へと向かい外に出ました。
振り向かず、泣きながら自宅に帰るとすぐさまトイレに閉じこもる。
さっき見た現実とは思えない業況とクラスメイトの変わり果てた姿に
ガタガタと震えて親が帰ってくるまでトイレから出られなかったそうです。
その後、数週間で不登校の女の子は学校をやめ
大きな病院に入院したと先生から聞かされたそうで、
もうあの子に会うことは二度なかったそうです。
Aさんからこの話を聞いた時、私はきっとその子は
『うろこうつし』の犠牲者なんだと思ったのですが
Aさん曰く、『うろこうつし』を最初に言い始めたのが
その子だったとか。

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