【UFO撃墜事件】-女子大生 朽屋 瑠子-
投稿者:kana (210)
「あわわ、・・・・いいから!早く行くぞ!!」
「ハイ!」
・・・・・・
作戦行動開始時間である。
朽屋はギリギリまでハルトマン大尉に手ほどきを受けて、地上シュミレーターによる訓練をしていた。そして出撃前の搭乗機へとやってきた。
今まさにF22にAIM-120Dアムラーム空対空ミサイル3発が搭載されようとしているところであった。整備の兵士たちが並び、朽屋に敬礼する。
「大佐から、曹長をお待ちするよう命令を受けておりました!!」
「ご苦労様でーす。では、これから私がこのミサイルをカスタムします。このテクノロジーは国家機密にも該当しますので、情報封鎖お願いしま~~す」
「イェスマム」
「あとこれ、PX(売店)で買ってきました。みなさんで食べてください(ニッコリ)」
朽屋が兵士たちにチョコバーを手渡す。ニンマリする兵士たち。
朽屋はミサイルに触れながらスペルを唱えだした。
「ルキフェル・アスタロト・ベールゼブブ・・・いざ蘇りし堕天の子らよ、我の元に集い汝らの力をここに宿せ・・・לוציפר, אסתר, אדון הזבובים, ילדי שמים, קמו והתאספו לפני ותתנו לי כוח.」
朽屋は3発のミサイルに念を込め、魔弾とした。作戦に使用するのは2発であるが、3発目は予備である。朽屋が魔弾を3発使用すると急激な睡魔に襲われることが判っており、上空でそんなことにでもなれば墜落の危険もあるため、3発目は本当に予備だ。
尚、朽屋がミサイルを魔弾として使用可能なのは、先の農場施設地下での実験で検証済みである。使用できる時間、射程なども調査済みである。それによるとF22の得意とする超長距離レンジでの攻撃は無理そうで、目視できる距離まで接近する必要があった。また、朽屋はこのミサイルから20メートルも離れることはできない。離れると魔力・霊力などの念の力が維持できず、まるで蒸発するかのように徐々に放散していくことが判っている。
研究施設でのテストがなぜこうもタイムリーなのかと言えば、米軍は最初から朽屋に銃弾以外の可能性を考えていたからだ。その意味からも、今回の作戦は重要な実験も兼ねていた。
・・・・・・
ラングレー空軍基地から飛び立つ2機のF22。ハルトマン大尉と朽屋だ。二人とも急上昇して作戦高度へ向かっていく。それを先ほどの整備班の隊員たちが見送った。
「へへっ、すげー飛びっぷりだ。あれで本当についこの間までシロウトだったのかね?」
「オレ、クチヤ曹長好きだ。チョコくれたし。ずっとこの部隊にいてくれないかなぁ」
「無事に帰ってきたら出迎えようぜ」
「あぁ、帰ってくるさ」
kamaです。自分で書いてて一番好き。朽屋瑠子シリーズ第13弾はアメリカの大学に通いつつ、UFOと遭遇するお話です。3連休のお供に、ぜひお楽しみください。ここで重要な出会いがあったりしますね。
ところで、作中「MIB」メン・イン・ブラックが登場しますが、ここではちよっとダサめな「ブラックメン」という呼称を使っています。これはボクが中山市朗先生の代表作『山の牧場』が大好きすぎて毎晩聞いて寝ていて、そのせいでそこに出てくる「これがブラックメンだ!」という少年の目撃例として使われるセリフが頭の中をぐるぐる回って、これはもうMIBではなくブラックメンと呼ぶしかない!!と思って使わせていただきました。
今田美桜で実写化して欲しい
藤井マリーはどうか?
クチヤさん、これ最後、ハルトマン大尉とバーに行った後いい感じになってやってますねぇコレは。
なんか無性に牛乳が飲みたくなった。
↑コメントありがとうございます。実写化とか、夢があっていいですね~~~妄想が膨らみます。
朽屋さんのプライベートに関してはボクは口をはさみません。もう大人ですし、恋愛は自由です。
あと、牛乳おいしそうでしたか?実はラストでもう一回現代に戻して三上と牛乳のみにいくオチも考えてたんですけど、まぁそれはまたの機会にとっておきます。
韓国語の怪談サイトでこちらのお話が取り上げられてましたね。やはり朽屋 瑠子シリーズは海外でも人気です!