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都市伝説

Tochikaさんによる都市伝説にまつわる怖い話の投稿です

できるよね?
短編 2026/04/30 03:41 58view

本当に自慢じゃないんだが、俺には霊感がある。
子供の頃に何度か怖い思いをしてから、その嫌な感覚が霊感だと気づいた。

経験則だけど、危険なほど嫌な感覚が強くなる。
だからといって、戦えるとか追い払えるなんてことはない。
逃げるタイミングが分かる程度だ。

で、そんな俺の通学路にはシャッター商店街がある。
その中の散髪屋にハサミ女とかいうやつが出るらしい。
出会ったらハサミが刺さって死ぬらしい。

じゃあ、どうやって話が広まるんだ?って話だよな。

それに、その散髪屋はとうの昔に閉業してて、シャッターが開いてるところすら見たことがない。

それでどうやってハサミ女に出会えるっていうんだ?
不法侵入しましたって自白してるようなもんだぞ?

――って思ってたんだけど、昨日、通りかかったらシャッターが開いてたんだよ。
ガラス扉もご丁寧に。

その時は夕方で、外はまだ明るさはあったけど、店内はぼんやりとして、奥までは見えなかった。
変な気配もなかったし、レトロな散髪屋が懐かしくてちょっとだけ中を見てみたくなった。

で、スマホのライトで店の奥を確認したけど、スタッフルームへのドアくらいしかなかった。
改めて見回してみると理髪台があって、その前には大きな鏡と道具を置くスペースがあった。
道具なんかもきれいに片付けられていて、何もなかった。
もっと荒れた様子を想像していただけに拍子抜けだった。

不意に嫌な感覚があって、左目にハサミの先端が迫っていた。
反射的に投げ捨ててから、自分がハサミを握っていたことに寒気がした。

ハサミの落ちる音がやけに大きく聞こえて、景色が一変した。
埃まみれの床、腐食してひびの入った鏡。
背後から感じる嫌な感じ。

逃げなきゃいけないヤバさなのはわかっていたのに、身体が動かなかった。
少し離れた所に何かがいるのは確信してた。
だから、絶対に見たくなかった。

少しでも横を向けば、鏡に映ったそいつを見てしまうと思った。
見たくないのに、顔を伏せたいのに、自分の意思に反して首が捻られていった。
目も閉じられなかった。

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