フランス人形の館

懐中電灯で中を照らすと、埃はすごかったが、
売ったらかなり金になりそうな家具やシャンデリアがあった。

そのまま進み、リビングに行く。

ドアを開けると、その瞬間全員固まった。

大きなテーブルがあり、イスが6つ。
テーブルには皿やコーヒーカップが並べられ、フォークやナイフも置いてある。

そしてその椅子それぞれに、一体ずつ、フランス人形が座ってる。

全員、こっちを見ている。

あまりの恐怖に、俺たちは一目散に玄関に向かった。

が、玄関にもなぜかフランス人形がいる。

咄嗟に俺たちは2階に駆け上がる。

「窓から飛び降りるしかねえ！！」

Aが言う。

「2階にもいたらどうすんだよ！！」

Bが言う。

「じゃあどっから出るってんだ！！！」

Aが怒鳴った。

2階に上がると、長い廊下に4つの部屋があった。

廊下に窓はない。
どれか部屋を選んで入るしかない。

Aが、手前の部屋を開けようとしたが、開かない。
鍵がかかっている、というよりも、何かが向こうから押さえている感じ。

次の扉、また次の扉。開かない。

最後の扉に手をかけ、力を入れる。
扉は、驚くほど素直に開いてくれた。