女子大生梨乃─悪夢のヒッチハイク旅行
投稿者:ねこじろう (147)
「………」
「何でだと聞いてるんだろうが!!」
「あ、、す、すみません!分かりません!」
「そうなんだ、そうなんだよな、、、
お前たち若い女はいつもそうなんだ。
はっきりしない!
最初のうちは気のあるような素振りを見せるもんだから、高いレストランに連れて行ったりブランドバッグとか買ってやったりするんだけど、こっちが本気になると結局そんなつもりはなかっただ。
あの25歳のキャバ嬢もそうだった、、、
入店前に食事に行ったとき、『可愛いキャンピングカーであちこち遊びに行くのが夢なの』とか言うから、貯金はたいてこいつを買ったんだ。
しかもキティちゃんが好きということだったから、車体をピンクにして前部に子猫の飾りまでくっ付けたんだよ。
そしたらどうだ。
二人きりは嫌だと、、、」
「………」
「バカヤロー、
ふざけるな!!!」
私は思わず両耳を押さえた。
すると突然おじさんが右に急ハンドルをきった。
その拍子に私の体は左のドアの方に倒れこむ。
車は耳障りなブレーキ音を鳴らしながら道路を横切り、そのまま右側面をガードレールにぶつけると、止まった。
その勢いで私はフロントガラスに頭を強くぶつけ、目の前が真っ暗になる。
しばらく朦朧としていると、いきなり左のドアが荒々しく開かれ『来い!』というおじさんの声。
それから毛むくじゃらの太い手が私の左手首を掴み、無理やり外に引っ張りだされた。
おじさんは何かぶつくさ喚きながら今度は後部ドアを開けると私を押し込み、ばたんと乱暴にドアを閉じた。
※※※※※※※※※※
…………
安物の香水と糞尿の入り交じったような匂いを感じとり、意識を取り戻し目を開くと、いきなりシャンデリアのオレンジ色の淡い光が視界に飛び込んできた。
ゆっくりと上半身を起こす。
ずきずきと首と頭が痛む。
どうやら軽いむち打ち症になっているようだ。
さっきの衝突の衝撃のせいだろう。
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