自然教室の登山で
投稿者:にゃん某 (9)
これは、私が小学5年生の頃の話です。
私の小学校では、「自然教室」という名の行事がありました。5年生の秋頃に、学年全体で県内の北部にある施設に宿泊し、ナイトウォークラリーやキャンプファイヤー、登山などを行うといったものです。
その宿泊施設には、いろいろな怖い噂がありました。夜になると部屋の外から声が聞こえる、広場に子どもの霊がいる、写真にたくさんのオーブが写る、などです。
ですが、私は友人達と楽しく過ごすことへのワクワクした気持ちの方が大きく、正直あまり気にしていませんでした。
自然教室の1日目、昼食を終えて、登山体験を行うことになりました。30分くらい登ったところで、後ろの方から「うわ!」という男子の声がしました。
「誰かが俺の足首を掴んだ!」と言うのです。その後も、「耳の近くで声がした!」「誰かに肩を叩かれた!」など次々にクラスメイト達が騒ぐので、流石に怖くなりました。
山の頂上に着いて、クラスごとに記念撮影をすることになりました。ここまで登り切った疲れもあり、みんな先程の怖い体験を忘れつつありました。
その日の夜、担任の先生がデジカメで撮った写真を見返していたので、友人数人と一緒に見せてもらいました。どんどん見進めていると、先程の山の頂上での写真が出てきました。それを見た瞬間、全員が凍りつきました。
1番後ろの列に、クラスメイトの男子達が立っていたのですが、更にその後ろに、見知らぬ人影がいくつも並んでいたのです。
全体的に透けていて、人ではないことがすぐに分かりました。先生は、何も言わずにその写真を削除し、こう言いました。
「今のは、見なかったことにして。変なものなんか写ってなかった。そうだよね?」
その時の先生の青白い顔が、今でも忘れられません。
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