人形の家
投稿者:にゃん某 (9)
これは、私が小学1年生の頃の話です。
家のすぐ目の前に公園があったため、当時は毎日のようにそこで遊んでいました。
ある日、いつものようにその公園で遊んでいると、見知らぬ女の子に「一緒に遊ぼう」と声をかけられました。
長い黒髪で、とても可愛らしい顔をしたその子は、「みく」と名乗りました。私は、「いいよ」と返事をし、それから二人で砂場へ行き、砂のお城や迷路を作ったりして遊びました。
次の日も、みくちゃんは公園に現れました。そして、「今日は私の家で一緒に遊ばない?」と提案してきたので、みくちゃんについて行き、家まで案内してもらいました。
「ここが私の部屋だよ。」みくちゃんの部屋には、たくさんの人形が置いてありました。どれも女の子の形をした人形で、その日はその人形を使ってごっこ遊びをしました。
その後も、公園でみくちゃんに会うことが続き、砂場で遊んだり、たまにみくちゃんの家に行って遊んだりしました。
ある日、学校が終わってから、私はみくちゃんの家に行ってみることにしました。
家に着いてドアのベルを鳴らすと、中からみくちゃんの家族と思われる女の人が出てきました。顔は青白く、手には女の子の人形を持っています。私は何とも言えない違和感を感じました。
「こんにちは。みくちゃんいますか?」「みくは今病気だから遊べないよ。」
私は、「分かりました。」と返事をし、みくちゃんの家を後にしました。
泣きそうになりながら、駆け足で自分の家に向かいました。ドアが開いてすぐに感じた違和感。
女の人が持っていた人形、それは、みくちゃんそのものだったのです。顔や髪型、着ている服、どこからどう見てもあの子だ。
私は、その日から二度とみくちゃんに会うことはありませんでした。何度も遊んだはずのみくちゃんは、一体何者だったのでしょうか。
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