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心霊

takeさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

放送室のテープ
短編 2023/03/13 12:02 2,078view
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母方の叔母に聞いた話です。
叔母の通っていた高校で、『放送室のテープ』という噂がありました。

『お昼の音楽』『掃除の音楽』『放課後の音楽』というのが決まっていて、
それぞれの時間に、決められた音楽を放送部員が校内放送で流すことになっていました。

その時代はまだ『カセットテープ』が多く使われていて、ラベルに『〇〇のテープ』と
書かれていて、その時間にカセットデッキに入れて放送するのです。

その中に『幽霊のテープ』というものが混じり込んでいて、それをかけると、
ホワイトノイズが大音量で流れ、そのうち、女の啜り泣きが聞こえてきて、
最終的にはノイズを圧倒するような声量で泣き声が響き渡り、
学校中が大パニックになる、とのことです。

そのテープは不思議なことに、あるときは『お昼のテープ』だったり『掃除の音楽』だったりするそうで、停止して、あらためて聞いてみると、普通に音楽が流れる、そしてまた忘れた頃に、別のテープをかけたときにホワイトノイズが流れ……と、その内容がテープの中を、移動しているようだといいます。

ただ、そんな全校規模の騒ぎなのに、誰ひとり直接それを聞いたことはなく、十年前にあったらしい、とか、誰々のお姉さんの先輩が聞いたことあるらしい、といった、伝聞の話ばかりで『ただの作り話』だと叔母は思っていたそうです。

ある日、放送部員の友人から、今日放送当番だけど、付き合って欲しい、と言われました。

二人ひと組でその日の放送当番が回ってくるのですが、ペアの部員が休みなので心細い、というのです。その友人はとても怖がりなのです。

「あんなの信じてるの?」
と笑いながらも、仲の良い子だったので付き合うことにしたそうです。

付き合うのは、テープをかけながら、放送室でお弁当を食べる、お昼どきです。

友人がデッキにセットしてテープを回し始めました。しかし、いつまで経っても、音楽が流れてきません。
「変だね?」
首を傾げた時、『シャー』とホワイトノイズが流れ始めたのです。

「嘘……」
友人が手で口を押さえて固まっています。

叔母は、校内に流れないように、マイクのスイッチを切るように友人に言いました。
スイッチを切った後、テープも止めようとする友人を制しました。

噂は本当なのか、確かめようと思ったのです。
「やめようよ」と、半泣きになっている友人を宥めながら、聞き続けました。

すると、ノイズに女性の啜り泣きのようなものが混じり始めたのです。
「やだ!」と耳を塞いで友人がしゃがみ込みます。

段々と啜り泣きが大きくなってきて、叔母も全身に鳥肌が立ちました。

テープを止めて取り出し、磁気テープを引っ張り出して、二度と使えないようにして、焼却炉で燃やしました。
友人はその後、放送部を辞めたそうです。

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関連タグ: #声#学校#心霊
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