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心霊

takeさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

ついてくる男の子
短編 2023/04/03 22:17 4,293view
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母方の叔父に聞いた話です。
叔父が高校生の時、登校してきたFという男子のクラスメイトを見て、ぎょっとしました。

彼の後ろを4〜5才くらいの男の子が、ついてきているのです。
授業を受けている時も、昼を食べている時も、男の子はFの後ろにじっと立ち尽くしていました。

移動教室や、トイレに行く時も、Fの後ろをすーっと横滑りするようについていきます。

しかし、本人も周囲のクラスメイトも、その男の子が見えていません。
見えているのはクラスで、いえ、学校の中で叔父だけのようでした。

叔父は『霊感体質』で、人ならざるものの存在を見たり感じたりするのです。

翌日も後ろには男の子がいましたが、Fがちょっと右足を引きずっていました。
そこで叔父は男の子には素知らぬふりをして、

「足、どうかしたのか」とFに尋ねてみました。

「どこかで打ったり捻挫したりした覚えがないのに、昨日の夜から足首が痛くてさあ」
と、浮かない顔です。

「ふうん」と、頷きながら男の子を窺うと、少し怒っているような、悲しそうな顔でFの背中を見つめています。
Fに対して、あまりいい感情は持っていないようですが、憎んだり恨んだりというほどではなさそうです。

さらに翌日、Fは午前中に病院へ行き、学校には昼からやってきました。
右足首が赤くなって腫れてきている、というのです。

しかし病院でいろんな検査をしても、異常はないとのことでした。

「なんか心当たりねーのか」
叔父が尋ねると、

「心当たりっていうかさ……いや、まさかなあ」と言葉を濁しています。

さらに尋ねてみると、二日前、つまりFが初めて男の子を連れてきた日ですが、
登校中、友人と話をしながら歩いていて気づかず、道端に置いてあったガラス瓶を蹴飛ばしてしまった、
それには花が添えられていて、お菓子やヒーローの人形などが飾られていた、
ここで小さな男の子が事故に遭ったのだろうと、近くの公園で水を汲みなおしてガラス瓶と花を元に戻して手を合わせて謝った、というのです。

「もしかしてあれかなあ……お祓いにでも行ったほうがいいかなあ」
と、Fが不安そうに言うので、
「そんなことあるわけないだろ」
叔父は笑い飛ばして、その場所をそれとなく聞き出しておきました。

叔父が帰りにその場所へ行くと、確かに花やお菓子が添えられていました。
そのあたりをしばらく見回っていると、近くの草むらに、ヒーローの人形が一体転がっていました。

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コメント(1)
  • 怖いと言うよりも泣けました…
    気付いてほしかったんだね。

    2023/04/09/04:04

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