バスから降りたら知らない町だった
投稿者:すもも (10)
私はぼーっと冴えない頭を働かせますが、何も考えつきませんでした。
恐らく、あの知らないバス停から始まる出来事は全て夢だったのかもしれません。
かなりリアリティがある夢だったので、起きてすぐは頭がこんがらがってしまいましたが、不思議な夢でした。
ただこの夢と思しき体験が実は現実で体験したものなんじゃないかと思う時があるのです。
なぜかと言えば、そのまま下車する駅までバスで揺られていると、途中の駅で何人か下車する人の姿を目で追っていれば、夢の中で出会ったおばあさんが居て、目が合ったのです。
おばあさんは私と目が合うと「あっ」みたいな顔をして、私も思わず話しかけそうな勢いで「あっ」と口に出してしまいましたが、互いに次の言葉を交わす事もせず、おばあさんはそそくさとバスを降りました。
次に、他のバス停で乗客が降りる姿を目で追っていると、やっぱり夢で出会った会社員風の男性がその列にいて、男性は私を見て「えっ」と驚いた表情を浮かべていました。
その男性は気まずそうな感じで下車していきましたが、私にはどうにも男性の態度以上に一つ気掛かりな事がありました。
男性の顔面にはうっすらですが、頭から額を走り、鼻の横を通った肉割れしたような傷痕のようなものがあったのです。
因みに、私の夢の中の男性の顔にはそのような傷は見受けられませんでした。
それの何が気掛かりなのかと言えば、私は自宅に戻ってすぐに脱衣所に向かいました。
そして、上着を脱ぎ、肩を出して鏡を見ます。
私の肩にも男性と同じ肉割れのような傷痕が走っていました。
その傷が刻まれた箇所は、夢の中で鬼のお面を被った奴に鉈を叩き込まれた箇所でした。
私が覚えている限りでは、男性も夢の中で頭を鉈で割られています。
もしあの男性の額の傷が私と同じものならば、もしかしたら男性も私と同じ夢を体験していたのかもしれません。
この肉割れのような傷痕が何なのかは分かりませんが、不思議なことに翌日には綺麗さっぱり無くなっていました。
別に重たい鞄をそっちの肩で担いでいたわけでもないですし、服や下着の痕でもありません。
ただ、この痕とおばあさんや男性の反応から私達三人は同じ夢を見ていたのではないかと思うのです。
それか、私達三人だけが現実とは違う世界に飛ばされていたのでしょうか。
どんなに考えてもただ単にバスで居眠りして見た夢にしか思えませんが、すぐに消えた肩の痕やおばあさんと男性のあの反応は偶然ではないように思えます。
それを確かめる術はありませんが、本当に現実のような感覚で体験したのです。
以上が、私が数年前に体験した不思議な出来事でした。
読み応えがあり引き込まれました。とても文才がおありと存じます。
眠りがスイッチになって、不思議な世界が同時間軸に存在しているのかも?という好奇心が刺激されました。
電車やバスなど交通手段で意図せず異世界に移動してしまったお話は、きさらぎ駅同様、とても興味深いです。
きさらぎ駅と同じ太鼓の音。
3人とも無事に帰還され良かったです。
こういう話わくわくするね
おばあさんは平屋で待っていて、無事だったのか気になる…
これ映画の「きさらぎ駅」と、ほぼストーリー同じじゃない?
単に電車がバスになっただけで。
きさらぎ駅と違ってハッピーエンドで良かったじゃん
その場所、何か曰くみたいなモノがあったりするのかな? それで白昼夢みたいなものを偶々、寝ていた三人が魅せられたみたいな事なのかな、と思ってね。 なんか、現代回顧版みたいな話しだよな〜。
展開に無理がなく、情景が浮かんできます。
おいおい、運転手に聞けよ。ってか、一番怪しいじゃん。
引き込まれました。どういう展開、どういう結末なんだろう・・・と。読んでいてここまでドキドキするのは私としては珍しく、久々に良質の怖い話を読ませて頂きました。ありがとうございました。
とても面白かったです
やっぱ異世界があるとしてもこんな感じに似てるけど常識が全く通じない異様な場所なのかな
あんななろう系のファンタジー系じゃなく
面白かった。
唯一思うのはその状況だったら最後3人で大騒ぎするでしょ
そそくさと降りるかなぁ
おっさんの意図が気になるな
最初は危害を加えようとしてるのかと思ったけど、村民達は三人が来てる事を聞いてなかったっぽいし眠らせて家から出ないようにする事で夜現れる村民達と遭遇させないよう守ろうとした可能性もある…のか?