深夜に話した友達
投稿者:八尺マン (46)
短編
2022/07/24
17:20
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どれくらい経ったろうか
俺の肩を誰かが叩いた
「ひぃいい!!」
「俺だ! Aだ! もう大丈夫だよ!」
目の前にAがいた
俺のよく知るAだった
気が付けば、外は暗くなっていた
「悪かったな。怖い思いをさせてしまった。すぐにここを出よう。今日はホテルで寝て、明日、引っ越し先を探そう」
「え・・・。あ・・ああ。でも・・・」
「いいから! すぐにここを出るぞ!」
Aは俺の手を強引に引いた
こんなAは初めてだった
いつも弱気なカンジなのに
その後、俺たちは他の場所に引っ越した
手続きはすべてAがやった
びっくりするくらいにスピーディーだった
まるで、過去に似たようなことを経験しているかのように
深夜にリビングにいたAは何だったのか
玄関ドアをノックしまくってきたAは何だったのか
俺はタイミングを見て、Aに聞こうと思っていた
だが、その前にAは俺の前からいなくなってしまった
別の場所に住み始めて、3か月後
Aは忽然と姿を消した
何の前兆もなかった
いつも通りに俺が仕事から帰ると、Aが夕食を作っていて、二人で食べて、片づけは俺がやって、Aは早々に自分の部屋に戻って
そして、朝にはいなくなっていた
荷物はすべて部屋に残ったままだった
それから数年経ったが、未だに行方不明だ
何が起きたのか、起きているのかわからない
ただ一つ気になることがある
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