いじめっ子の末路
投稿者:リンペン (4)
私の祖母の少女時代は、ちょうど第二次世界大戦の真っ只中で、学童疎開でかなりの田舎に送られたそうです。
夜に寝る前に、自分の実家の方向を向いて「お父さんお母さんおやすみなさい」と挨拶をして眠ったとのことですが、空腹と寂しさからなかなか寝付けず、家を出るときに母が持たせてくれた小さな着物のハギレで作った人形を大事に抱いて震えながら寝たそうです。
祖母曰く、疎開先ではとてもひどいイジメがあり、体の大きい子供は小さい子供から食べ物をせしめ、殴り、そのような上下社会が出来上がっていたとのことで、祖母はそこまで体が大きくなかったのでいじめのターゲットになる時も何度もあったそうです。
その度に「お母ちゃん助けて」と言いながら人形を抱いていたのですが、ある日その人形をいじめっ子に取り上げられて引きちぎられたそうです。
首を取られたその人形の中から、母が入れてくれたお守りの紙と、炒った小豆が入っていたそうで、いじめっ子たちはそれに我先にと群がり、全て食べ散らかし、それを祖母は泣きながら見ていたそうです。
それから数日経ったある日、比較的安全だと言われていた疎開先に爆撃があり、祖母の人形をちぎった子が数人死亡したとのことです。
その後栄養失調から残りの人形がらみのイジメっ子の子供たちが亡くなり、「人形が復讐してくれたのかなぁ」と言うゾッとした祖母の話でした。
まだその人形は祖母の宝物箱の中にあります。
自業自得