親を探す子供
投稿者:リンペン (4)
短編
2022/08/19
00:04
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私の夫の母の地元はかなりの田舎で、それこそ第二次世界大戦のあたりには都市部から子供を受け入れていたという場所でした。
過疎化も進み、村からは人が消え、受け入れていたお寺は管理者もいない状態になっているのですが、一度私が義母の家に泊まりに行った時に「いい?XXちゃん、今日子供が夜に部屋にきても、「お母さんじゃないよ」っていうのよ」と言われました。
何のことか分からなかったのですが、長距離移動で本当に疲れていたので、わかりましたと言ってそのまま就寝する流れに。
疲れもあってそのまま深い眠りについたのですが、ふと水を飲みたい…と思って起きあがろうとすると金縛りに。
何が起きているのか不安になり、目玉だけで周りを確認すると、ぐうぐう眠る夫の足元に小さな女の子が2人立って私をじーっと見ていました。
その時に義母が言っていた言葉を思い出し「お母さんじゃないよ」と頭の中で繰り返すと「そうですか…行くよ」と一人がもう一人の手を引いてスーっと消えていきました。
次の日、義母に「子供が出ました」と言うと「この家は、疎開の時に都会から親が迎えに来た時に親が泊まる家だったのよ。新しい人が来たら、親が来てないかって、家に帰りたい子供がまだ来るの。」と言われ悲しいやら怖いやらで本当に複雑でした。
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