グイと下半身を押し上げられ、次の瞬間には海面に出ていました。
「大丈夫か?」
友人の手を借りて甲板に戻りしな振り返れば、骨の魚と女の影がゆらゆら海面に揺れていました。
「今の見たか?裸の女と骨の魚が泳いでたろ」
「は?幻覚じゃないか」
「確かにいたんだよ、助けてくれたんだ!」
どんなに必死に訴えた所で友人は信じてくれず、それ以上主張するのはやめました。
はたしてあの女は何者だったのでしょうか?
さらに数年後、彼女が唄っていたのはある地方に伝わる海女歌だと判明しました。
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美しい文章
良い読み物でした
美しいです