俺はクリスマスが苦手だ
投稿者:with (43)
クリスマスなんでクリスマスにちなんだ体験談。
俺はクリスマスがちょっと苦手だ。
というのも、小学5年の時だったか、クリスマス前日の夜どんなプレゼントが貰えるのか期待に胸を躍らせながらなかなか眠れない夜を過ごしていた。
勿論、この年齢になると既にサンタなんて幻想は信じてないが、毎年両親がクリスマスプレゼントを枕元に用意してくれるのでめちゃくちゃ楽しみな行事なのは変わりなかった。
そうして就寝時間になったんだが、どうにも寝苦しい。
俺の部屋は二階にあるが普段両親が起きてると一階の物音がそこそこ聞こえる。
それがまだ22時過ぎだというのに一切聞こえない。
俺は「もしかしてプレゼントの用意してるのかな?」なんて呑気に考えてた。
するとギシギシと階段を上がってくる足踏みが聞こえた。
「おいおいまだ寝てないぞ」と焦りながら布団を鼻の高さまで被り、薄目でドアの方を見つめていた。
ギイ、とドアがゆっくりと開くと廊下の明かりが差し込んでくる…はずなのだが暗闇が広がっていて何も見えない。
万が一電気の明かりで俺が目が覚まさないように気遣ってるのか?そう思った。
暗闇から誰かがこっちに近づいてくるのがわかる。
ひた、ひた。
ただ妙にゆっくりとした歩みというか踏み込みなのだろうか。
一歩一歩確かめるような一定のリズムで近づいてくる。
ズリ、ズリ。
次に何かを引きずるような摩擦音が聞こえた。
俺は薄目で何とか視界を確かめる。
暗闇に目が慣れたのか、わずかな夜光で見ることができたのか、開かれたドアと真っ暗な廊下が見えた。
ズリ…。
不意にベッドの下、床の方から引きずる音が聞こえる。
ズリ…、ズリ…。
何かが居る事は直観できた。
まさか両親の悪戯?俺が起きてるのをわかってて揶揄ってるのか?
若干寒気を覚えながら趣味の悪い悪戯にムカつき、意地でもビビってやるもんかと抵抗の意思を持った俺は、そのまま目を開けて待つ事にした。
すると、ぬっとベッドの下から影が現われた。
ちょうど目線の高さ、真正面に現れたと思しき影はそこで固定してじっとしている。
その影がどうやら人間の頭だと認識できた俺は、なぜか声をかけてしまった。
「…父ちゃん?」
怖面白かった