鬼の指のようなものが写った心霊写真

高校卒業が間近となり旅行に行こうという話になりました。
教室では思いで作りに写真を撮り楽しく過ごしていました。

旅館の予約や観光場所の下調べなど準備して旅行当日を迎え、夜に温泉に浸かっていると少しだけ視界が暗くなった気がしました。
「湯あたりかな…」と思っていると、パッ明るくなり温泉内の灯りが切れそうなんだなと思っていると、友人が「ちょっと怖いかも」とポツリ。
辺りを見回すとさっきまでいた数人のお客さんたちは誰もおらず私たちだけなことに気付きました。
静まり返った温泉。私たちは出ることにしました。

そしてすぐにそんなことは忘れ、おいしい夕食に舌鼓を打ったあと、おしゃべりを楽しんで眠ってしまいました。

それから何時間たったのか、耳のそばでギギッギギッと軋むような音がして目が覚めました。
しばらく様子を伺っていましたがまた私はウトウトしはじめ、意識が朦朧としていた時、布団の上からずっしりとした重みを足部分だけに感じ体が硬直して動かず目も開きません。
力を振り絞って、無理やり薄っすら目が開いた時、驚くほど大きく黒い人影が消えていくのが見えました。

その後、旅行前に教室で撮った写真を友達が神妙な面持ちで持ってきました。
見てみるとピースをした私の人差し指が鬼の指のようにごつごつと太く長くなり、爪も鋭くなっていたのです。
すぐに処分しましたが、あの旅館で起きた事と写真が関係しているのかはいまだに分からないままです。