最近僕は、事故物件に住み始めた。家賃が安いというのもあったが、何よりも僕は心霊や怪談が好きである。部屋はリフォームされている為綺麗で、広さも悪くない。僕にうってつけの部屋だった訳だ。
でも、一つ困った事があった。それはスマートフォンのバッテリーだ。何故(なぜ)かは知らないが、ここに住み始めてからバッテリーの減りがとんでもなく早いのだ。
正直心霊現象が起きるのはいい。けれどバッテリーが切れるのは非常に困るのだ。
それを友人の桐田(きりだ)に相談すると、知り合いに霊感のある人が居るらしく紹介してくれた。
「初めまして、黄ノ江由里子(きのえゆりこ)です。」
てっきり霊能力者っぽい格好をしてくるかと思ったが、見た感じは至って普通の女性だった。
「どうも、雲田(くもだ(僕の名前))です。今日はよろしくお願いします。」
「早速なのですが……」
彼女は視線を下へ移す。
「あ、悪霊かなんかですか?」
「いえ、物凄く元気な女の子ですよ」
予想外の返答が返ってきた。
「へ?」
「これ程まで元気な霊は初めて見ました。どうやらこの子、家で走り回ってたら転んで頭打っちゃったみたいです。」
「会話が出来るんですか?」
「はい。スマホのバッテリーが減るのはなんでかな?」
彼女は何もない空間に話し掛ける。
「あー……どうやら楽しいからこっそり遊んでるみたいです。」
「どうすればバッテリーは減らなくなりますかね?」
「何かおもちゃを置いて欲しいみたいです。」
それから僕は、ボールや人形などのおもちゃを何個か買った。すると、スマートフォンのバッテリーが急激に減る事は無くなった。
けれど、よく部屋の中でボールが飛び交っている。たまに「遊んで」というように僕にボールが飛んできて、何もない虚空(こくう)に僕はボールを投げ返す。
……やっぱり、事故物件はやめておいた方がいいかもしれない。
























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