——木の僕——
いつだったっけなぁ。
視線が少し高くなったのは。
吹き抜ける風が少しくすぐったい。
なんだか、すごく心地よかった。
そんなある日、二人の警察官が現れた。
「……なんか」
『土から指みたいな物が出てないか?』
——警察官——
行方不明・殺人事件が多い為、空田(そらだ)とパトロールをしていると大きな木を見つけた。
木の下の地面には人間の指のような物が覗いていた。
急いで掘り返すと、そこから男性の遺体が出てきた。
「……なぁ柿田(かきた(俺の名前))、地面の栄養が木に行き渡るまで、どれくらい掛かるか知ってるか?」
空田に聞かれても、俺は判らなかった。
「大体、2〜3日から一週間らしいぞ」
俺はそこで空田の言いたい事が判(わか)った。
この木には男性の遺体の体液が行き渡っているのだと。
その時、風が吹き抜けた。と同時に、木がざわざわっと蠢(うごめ)く。
その木が今にもこっちに近付いてきそうで、俺は恐怖を覚えた。
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