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心霊

やまぜきさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

心霊YouTuber
長編 2025/04/24 11:33 12,118view
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俺は趣味で心霊系のYouTubeチャンネルを運営している。
登録者は2000人に満たない小さなチャンネルだが、常連が何人かいて、コメントも頻繁にもらえるようになってきた。
仕事終わりにひとりで撮影して、帰って編集して投稿する。面倒だけど楽しい。

昔から心霊スポット巡りが好きで、学生時代は友達とよく深夜に車を走らせた。
だけど俺自身には霊感なんてまったくないし、正直、そういうのは「怖がる自分を楽しむ」ためのエンタメだと思ってた。

だから、動画内の怪奇現象のほとんどは――まあ、ヤラセだ。
撮影中に廊下の端にマネキンの頭を半分だけ映り込ませたり、編集で風の音を足したり。
でもそれが受けるんだよ。
「2:14に誰か立ってる」「5:48で声聞こえた」なんてコメントがつくと、ついニヤけてしまう。

そんなある日。

俺はネットで噂になっていた「廃旅館」に行くことにした。
隣県の山中、昔夫婦で経営していたが経営難で心中した…らしい。
中でも“2階の一番奥の部屋”がヤバい、とされていた。

現地に着くと、建物は思ったよりしっかりしていた。
古びた木造2階建て。誰かが肝試しに来たのか、1階の壁には落書きが多い。

撮影はいつも通り。
内カメと外カメで俺自身と周囲を同時に撮って、編集で組み合わせる。
今回は、例の“撮れ高アイテム”も持ってきていた。マネキンの首。薄暗い廊下の奥にちょっと映るだけで、コメント欄は盛り上がる。

1階を回っているうちは、特に異常はなかった。
薄ら寒さはあるが、まあ山奥の廃屋なんてこんなもんだ。

問題は2階だった。

階段を上がり、廊下を進んでいく。
左右の部屋を順に見ていくが、どこも似たり寄ったり。
だが、一番奥。件の部屋だけ、扉に手をかけた瞬間、指先に“妙な重み”が走った。

他の部屋と同じ構造のはずなのに、なぜか開かない。

まるで誰かが中から抑えて入るのを拒んでいるような感じだ。

力を入れて引くと、突然スッと軽くなり、バランスを崩してライトとカメラを落としてしまった。

ライトの光が、開いたその部屋の中を照らす。

……一瞬で、空気が変わった。

他の部屋と同じ建物の中とは思えないほど、朽ち果てていた。
壁は剥がれ、畳は腐り、空気は重い。鼻をつく生臭さが喉にまとわりつく。

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コメント(4)
  • Mattyakowai!

    2025/04/24/20:26
  • 女の人こわ!

    2025/06/18/09:12
  • こういうの好き

    2025/06/18/14:15
  • 怖いなあ

    2025/06/20/09:23

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