夢だった一戸建てに、ついに引っ越すことができた。
築年数は古いが、リノベーション済みで見た目は綺麗。何より、娘が4歳になり手狭になったアパートを出られたのは嬉しかった。
中古とはいえ庭付き。妻と相談して無理してローンを組んだ家だった。
気がかりがあるとすれば、不動産屋が前の住人の話をどこか曖昧に濁したことくらいだ。
「まぁ、ちょっと事情があって…でも今はもう、大丈夫ですから」
それ以上突っ込むのも野暮かと思い、深く聞かなかった。
ともかく新しい生活は穏やかに始まった。
…最初の1週間までは。
ある夜、寝ていると天井の上から微かな物音が聞こえた。
擦るような、引っかくような、不規則な音。
ネズミか何かかと思い、翌朝天袋を開けて確認したが何もいなかった。
妻に聞いても「そんな音、私には聞こえないけど?」と首をかしげるばかり。
その後も夜になると同じ音が聞こえるようになった。
ある休みの日の朝、目を覚ますと隣で寝ていた娘の姿がない。
リビングにもいない。ふと、2回の奥の部屋から話し声が聞こえた。
そっと近づくと、娘が押し入れの前に座り、開け放たれた天袋の暗がりに向かって話しかけていた。
俺は娘に誰と話しているのか聞いてみる。
すると無邪気な笑顔で
「おとこのこだよ。いつもそこにいるんだよ。」と答えた。
一瞬、背筋が凍った。
気味が悪かったが、怖がらせないように努めて笑顔を作り、朝ごはんを食べに行こうと誘った。
ジュースの話を出すと、娘は素直についてきた。
娘が部屋を出たあと、天井裏を確認するがやはり誰もいなかった。
朝食を食べ終え、リビングで娘が遊んでいるとき、妻に先程の話をした。
妻も「なにそれ…」と表情を強ばらせたが、恐らくイマジナリーフレンドなのではないかと結論付いた。ママ友の間でも、似たようなことを言う子がいたらしい。
しかし日に日に娘はその部屋に入り浸るようになり、ある日押し入れによじ登り、天井裏に行こうとするところを目撃した。
俺はすぐさま娘を抱えて引き剥がした。
娘はポカンとした顔でただ一言「よばれたの」とだけ言った。
嫌な胸騒ぎがして、天袋を閉めようとした瞬間、バサッと何かが落ちてきた。

























お祓いとかしたのかな。その後が気になる。
日記?アルバム?まあ、感謝しな
これは怖かった!