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心霊

四川獅門さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

お邪魔します
短編 2021/03/17 21:21 7,119view
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鈴木さんの住む地区には、住民達を困らせる男がいた。

「歳は10代後半くらいでした。多分、心か脳に問題があったんだと思います」

そう鈴木さんは語る。

「いつもグレーのパーカーにスウェット姿で、背が高いし怖いんですよ……」

その男は近隣のゴミ捨て場を漁ったり、公園で奇声を上げて子供たちを怖がらせたり、住民達の悩みの種だった。

ある日鈴木さんが夕食の支度をしていると、『 ピンポーン 』と家のチャイムが鳴った。

足早に玄関の扉を開けると、あの男が全力疾走をする後ろ姿が見えた。
鈴木さんはその足の速さに恐怖を覚えた。

「陸上選手みたいに手をパーにして、必死に走っていって、ゾッとしちゃいました。グレーのパーカーを着た、あの人でした」

その日を境に、ピンポンダッシュが続くようになった。
鈴木さんの恐怖は、怒りに変わっていった。

ある日、外出しようと靴を履いた時だ。

『 ピンポーン 』

チャイムが鳴った。今日は注意してやろうと、勢いよく扉を開けた。

「やっぱりあの人だったんですが━━」

男は驚いて野太い悲鳴を上げた。

『うぎゃああああ!!』

その恐ろしい悲鳴に、鈴木さんは凍りついた。最早注意するどころではなかった。

男は鈴木さんに背を向け、何か叫びながら無茶苦茶なフォームで走り出した。
鈴木さんは恐怖で固まって、男の後ろ姿を見ていた。

家から十数メートル先、住宅街の角からトラックが現れた。
狂ったように走る男は、トラックに轢かれた。

静かな住宅街の道路に、血の染みができた。後に男は死んだと分かった。

その地区は平和になったが、鈴木さんは内心罪悪感のような物を感じていた。

ある日の夜12時頃、鈴木さんが眠りに就こうとしていると、

『 ピンポーン 』

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コメント(4)
  • おもしろかった!

    2021/03/17/23:27
  • 理不尽すぎる…

    2021/03/18/06:47
  • なんで叫び声上げて逃げた?
    最初からピンポンダッシュしてんじゃん。
    ピンポンの途中で玄関が開いたなら驚くかもしれないが、鳴ってから開けてるなら、いつもと同じだ。
    ピンポンダッシュってボタン押したらすぐ走って逃げるんだから、その時背中向けてるのが普通だろ。
    ピンポンダッシュやったことないんかな。

    2021/03/20/22:00
  • ↑普通の人じゃないからじゃない?常識は通用しない。

    2021/03/21/22:27

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