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呪い・祟り

四川獅門さんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

インフィニティ
短編 2021/03/21 21:00 2,563view
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 坂本さんが大学生の頃の話。彼が住む地区で不審車両による当て逃げや轢き逃げが続出した。

 『 お願い◎目撃者を探しています 平成13年8月10日17時00ころ、この場所で乗用車と自転車の交通事故が発生しました。この事故を目撃された方は、左記までご連絡ください』

 目撃者を募る看板が、不自然なほど増えていった。

  坂本さんはある日サークルの仲間とドライブがてら、肝試しに行った。
 その地域では有名な一家心中のあった家だ。
 家は山間の僻地にポツンと建っていた。庭は草が伸び放題。窓ガラスはほとんど割られていた。
 廃墟の脇の草藪には、廃車同然の黒いセダンが放置されていた。

 肝試しを終えた一行が車に乗り混むと、草藪のセダンのヘッドライトがぼんやりと光っている。

「おい、あれ。ライトついてるぞ」

「え……マジか」

 一行が呆気にとられていると、草藪のセダンがジワジワと動き出した。
 運転席が空なのを見た一行は戦慄した。

「ヤバいって!逃げるぞ!」

 坂本さんはアクセルをベタ踏みして、山道を駆け下りた。

「オイ!!アレついてきてんぞ!!」

「うわああああ!!もっと飛ばせ!!」

 ミラーには、暗闇の中で光る黒い二つの光が映っている。
 得体のしれない低い音が近づいてくる。
 次の瞬間、全員の体に衝撃が走った。猛スピードで追突されたのだ。

 セダンはそのまま走り去った。

 坂本さんの車は、追突の衝撃で木に突っ込んだ。
 幸い死者は出なかったが、彼らはむち打ちや打撲を負った。
 坂本さんの車は廃車になった。その場所にまた一つ、目撃者を募る看板が立った。

 それからその街の当て逃げ事件は収まった。しかし、今度は隣の県で同じような事が起こった。

 その黒いセダンは、あなたの街を走っているかもしれない。

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コメント(2)
  • Hondaに対する熱い風評被害

    2021/04/06/15:43
  • 御免なさい、日産の間違いでした

    2021/04/06/16:28

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