虫食い娘 ※グロ注意

「虫食い娘」

僕がまだ小学校2年生の頃の話。
僕のクラスには、「虫食い娘」と呼ばれいた女の子がいた。いや、正確には、”呼ばれるようになった”かな？まぁ、クラスにそう呼ばれていた、少しぽっちゃり体型の女の子がいたんです。
先程も言った通り、その子は初めから「虫食い娘」と言われていたわけでは無いのですが、事の始まりは6月の終わりでした。
授業中、僕の隣の席には、例の女の子が座っているのですが、ふと視線を向けると、女の子の上着のポケットが、モゾモゾと動いていることに気づく。女の子に気づかれないように見ていると、突然ポケットの中から、バッタが1匹飛び出し、床に着地する。

(！？？？)

僕が困惑していると、女の子は、そんなに強く掴んだら死んでしまうだろう。という勢いでバッタを鷲掴みにし、ポケットの中へと突っ込む。
そこから30秒ほどポケットが動いていたのですが、段々とそれは小さくなっていき、ピタリと止まったかと思えば、ポケットが急に動き出し、少し大きめのカマキリが顔を出す。しかも、カマキリの前足には、バッタの足が握られている。
その光景に気分を悪くした僕は、女の子から目線をそらす。
そこから2週間ほど経ち、蝉がうるさくなくほどの暑さになる。
僕らはというと、やはり元気な子供。猛暑の中、グラウンドでサッカーなどをして遊んでいたのですが、なにかの拍子で、僕の蹴ったボールがグラウンドの端の方へと飛んでいく。僕がボールを追いかけている間も、ボールは僕から遠ざかり、茂みの中へ。

(うわ〜。入ったのかよ…)
駆け寄ると、茂みの中から、
ヂリヂリヂリヂリ!!
と、蝉が飛び立つ時の音がする。言い忘れましたが、僕の学校のグラウンドは高い草に囲まれていて、草の中が空洞になっていることが多くあり、子供たちの遊び場にもなっているんです。
ヂリヂリヂリヂリ!!
蝉の羽の音はまだ続いている。少し気になった僕は、茂みの中を少し覗いてみる。
(！！！？？)
思わず1歩下がる。僕の目に写ったのは、あの例の女の子。その女の子が地面にあぐらを書いて座っている。そして……
(え…!?)
女の子の右手には、1匹の蝉が握られている。僕の嫌な予感が的中する。そいつは、蝉をそのまま口へと持っていく。
ヂリヂリ!!ヂリヂリ!!

蝉の羽の音。
バリ…!バリ…!
何かを噛み砕くような音。
異様さと、恐怖と、気持ち悪さで頭がいっぱいになった僕は、早々にボールを拾い、友達らの所へと戻り、今見た光景を伝える。
友達の何人かは、面白がってそれを見に行ったのですが、帰ってきた頃には、みんな顔が青ざめている。
「何あれ。」「やばいって。」「気持ち悪い。」
そうして、その女の子の噂はすぐに広まり、気がつけば、「虫食い娘」なんて言われるようになっていた。
それから、夏休みまであと3日というところで、事件はおきる。給食時間。僕がトイレから帰ってくると、あの例の女の子が、友達のBの席に座って、給食の味噌汁を片手に、なにかゴソゴソとしている。
(何やってるんだ？)
そいつは、味噌汁を机の上のお盆に戻し、そのまま教室を出ていく。不審に思ったのですが、何か起こるわけでもなく、そのまま休憩時間になる。しかし、そこから事件はおきた。というか、すでに始まっていたのかもしれない。僕らがグラウンドでサッカーをしていると、突然Bが「気持ち悪い」と言ってトイレへと走っていきます。昼休みが終わるまでトイレで嘔吐していたようで、それを見かけた先生らが、Bを保健室まで連れていく。みんなが困惑する中、僕だけは理由を知っていた。あの女だ。あいつがBに何かしたんだ。
しかし、ヘタレだった僕は、1人で行く勇気はなく、友人のAを誘って、例の”虫食い娘”を問い詰めることに。人目のない所へ連れていき、はたから見たら最低な光景なのですが、2人で僕らは問い詰める。