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心霊

津々さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

教育実習での恐怖体験 かすかに聞こえる声
短編 2021/12/07 12:20 2,172view

私は某教育大学に通う4年生です。学校の先生になるのが昔からの夢でした。

私の地元周辺では教育大学の倍率が高く、寒い地方の大学に通うことになりました。縁もゆかりもない土地で一生懸命に頑張りもう少しで卒業という時期でしたが、講師のススメで某中学校に5日間の教育実習に行く事になりました。

普通はこんな時期には教育実習にはいかないのですが、講師の先輩がいるらしく上手くいけば「そのまま採用してくれる」という話だったので受けました。
その中学校の近くには「SL蒸気機関車」が展示されていて私もよく知る学校でした。

教育実習一日目
何事もない普通の一日でした。ただ12月という事もあり雪がチラチラと降っていたのを覚えています。

教育実習二日目
昨日と打って変わり小テストの採点や明日出す小テストの作成に時間がかかり帰る頃には22時を回っていました。昨日から降っていた雪が積もっていて私は「明日は長靴で来なきゃな」なんて考えながら帰りました。

教育実習三日目
私を指導してくれる先生に「帰りあんまり遅くならないうちに帰りなさい」と注意されました。
内心「教育実習生に仕事振りすぎるからだろ」と愚痴りたくもなりましたが、当の先生は部活の顧問もしていて帰る時間は私と同じぐらいでした。

その日も帰る時間が遅くなり22時近かったと思います。小走りで校庭を走っていると「…て……よ」とかなり小さな声が聞こえましたが、何を言っているのか分からず無視して帰りました。

教育実習四日目
生徒とも仲良くなって来ていろいろな話をするようになりました。私に彼氏は居るのとか好きなタイプはなどお年頃な質問ばかりでした。
しかしその中に気になる質問が「先生は何時ぐらいに学校から帰るの?」なんでそんなこと聞くのかと疑問に持ちましたが「22時ぐらいかな」と答えるとみんな揃って「コワ―」や「えっー」と驚いていました。
するとすぐに担任の先生が来てしまい生徒たちに理由は聞けませんでした。

そして学校から帰る時間はやはり22時近くになっていました。仕事をしている時は集中しているので気になりませんでしたが、夜暗くなり雪も降っていて昼間の生徒たちのリアクションが気になりました。

「あの時の生徒たちのリアクションはなんだったんだろう?」なんて考えていると「…けてこ……よ」と昨日よりは聞こえましたが、やっぱりかすかにしか聞こえず私は聞こえないフリをして帰りました。

しかし帰り道の途中で携帯電話を忘れてきたことに気付き学校に戻る事にしました。

学校に着いたのは22時30頃でした。職員室に小走りで戻り携帯電話を鞄にしまい帰ろうとしました。

校庭に出た時にナゼかふと「あのささやくような声の正体はなんなんだろ」と思った時です。

「たすけて…ここにいるよ…」

はっきり聞こえました。私は声のする方に「何かあったんですかー!」と叫んだのですが、応答はありませんでした。しかし私は「誰か(生徒)が困ってるんだ」と思い声が聞こえた方に行きました。

するとそこにはSL蒸気機関車がありました。私はその時、背中にゾクッとしたものを感じました。何故かというとよく考えればこの声は数日前から聞こえていてしかも今から30分前にも聞こえていた。そう考えてしまうと急に体が動かなくなりました。

すると私は足首を強く握られた感覚がしました。恐る恐る足首を見てみるとそこにはSLの下から青白い手が伸びて私の足首を掴んでいました。私は「きゃー!!」と叫び意識を失ってしまいました。

教育実習五日目
私は中学校の保健室のベッドに寝ていました。私の指導してくれる先生が、たまたま帰る時にSLの方から叫び声が聞こえて駆けつけてくれたそうです。
外傷もなく気を失っているだけだったので救急車は呼ばなかったそうです。

先生に昨夜の出来事を説明すると先生は教えてくれました。

数年前にあのSLの近くで喘息の発作が起きた生徒がいたそうです。
その生徒は助けを求めたそうですが、その日は大雪で人気もなくその生徒はその場で死んでしまったそうです。
そして大雪のせいでその生徒は雪の下敷きになり雪が解けた頃に発見されました。
SLの下から発見されたそうです。

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