彼女からの電話
投稿者:津々 (42)
僕が高校3年生の時に実際体験した話です。当時、就職か進学かで悩んでいました。スポーツ推薦の話も来ていたので、本当に悩んでいました。悩む理由は当時付き合っていた彼女と早くに結婚したかったから。そのためには仕事をしなくてはいけません。しかし、強豪校からのスポーツ推薦でプロ選手になれるチャンスもあると思うと心が揺れていました。
その心の揺れを一番感じ取るのはやはり彼女(以下R)でした。Rはヒマさえあれば「いい就職先見つかった?」「夜勤はない方がいいな」など仕事に対する圧が日に日に強くなっていき僕の気持ちはだんだん薄れて行きました。そんなある日、いつものようにRから「仕事、仕事」といわれ続けついに僕は「Rは俺の夢(プロ選手)も知ってるよね。そっちは応援できんの?」とつい怒鳴ってしまいました。するとRは「…ごめん」とだけいい連絡をしてこなくなりました。
Rと連絡を取らなくなり数日たち、僕からも気まずくて連絡をしませんでした。こんなにも連絡を取らなかった事はないので僕は「自然消滅かな」と思っていました。そんな事もあり、Rの事は宙ぶらりんの状態でしたが、僕は定期的にスカウトに来てくれる大学に進学することにしました。卒業間近になってもRから連絡くることもなくスポーツに打ち込む日々を過ごしていました。
卒業後、大学生活を満喫していました。その頃にはRのことは全く忘れていました。しかし、あの日から思い出すことになりました。気が付けばRから着信が入っている事がありました。しかし、着信がある時は練習中か入浴中など電話から離れている時でした。僕は、「はっきりしよう」と思い何度かRに電話を掛けましたがいつも電源が入っていない状態でした。そんなもやもやした日が続きました。その時は、ウトウトと居眠りをしていましたが、たまたま携帯電話を握って寝ていたので着信に気付き相手を確認せずに電話に出ました。
相手はRでした。泣きながら「ごめん、ごめん」と繰り返すだけでした。ぼくは、「うやむやになってたけど俺たちもう別れよう」とRにいうと「会いたい、会いたい」と繰り返すばかりでした。
僕はRと電話で話した内容が少し気になったので大学の友達に相談しました。すると友達は「それストーカーになるやつじゃね」と茶化してきました。僕としては元カノという事もあり「そんな奴じゃないよ」と友達にいったもののなんだか心の中がモヤモヤしていました。
Rの電話に出てから毎晩のようにRから電話が来るようになりました。内容はいつも同じで「ごめん」と「会いたい」を繰り返すばかりで僕が何か話しても聞いてはもらえませんでした。さすがにこのままではいけないと思いRの家に行く事にしました。そうすれば、Rがいう様に「会う」という願いが少しは叶い僕の話を聞いてくれると思ったからです。
しかし、彼女に会う事は出来ませんでした。なぜなら、彼女は1年前に自殺をしていたからです。僕と口喧嘩になったあの日の夜に自殺をしてしまったそうです。僕はRの母親に電話の件などを説明しましたが、R母「携帯自体すぐに解約しているから繋がるはずがない。もし繋がったとしてもRではない別人だ」といわれました。僕は現実を受け止められずRに線香をあげて帰宅しました。家を出て間もなくRから留守電が入っていました。
「ズットイッショダヨ」と聞こえました。
プロにはなれたのですか?
然りげ無く冷たい