おばあちゃんと母
投稿者:キミ・ナンヤネン (88)
後日母に電話すると、そんな写真は入れてないと言っていました。
その翌月にも荷物が届き、高級チョコレートの詰め合わせ、そして手紙と写真が入っていました。
今度の写真も、また同じ物でした。おばあちゃんの顔は、かろうじて見える程度に黒ずんでいました。
先月の写真は、また見つかりませんでした。
手紙によると、おばあちゃんの容体は芳しくなく、入院がさらに伸びて、病気の原因は不明ではあるものの特に心配ないとの事でした。
それと、母が病院のお医者さんにいろいろ相談するうちに、一緒に食事に行くようになり、近いうちにあなたにも紹介するかも、とありました。
後日母に電話すると、そんな写真は入れてないと言っていました。
おばあちゃんは心配ないと手紙にありましたが、あの写真も気になっていたので、3連休を利用しておばあちゃんのお見舞い行くことにしました。
早速、おばあちゃんが入院している病院に行ってみると、ちょうど主治医が巡回で病室にいました。
おばあちゃんはいかにも元気が無く、顔色も悪く、素人目にも状態が悪い事が分かりました。
主治医によると、おばあちゃんは何か薬物を盛られているのではないか、という事でした。
詳しく聞いてみると、10年ほど前に病院の薬剤庫から少量の毒物や薬物が無くなったという事件があったそうです。
当時は管理体制が少し甘く、医師やベテランの看護師であれば、届を出せば少量なら持ち出す事ができていたそうです。
その毒物を摂取した時の症状が、おばあちゃんの症状と似ているとの事でした。
もちろん、毒物や薬物の可能性も考えて様々な治療を試みてはいるが、日に日に容体が悪くなっていると言っていました。
私は、主治医と話しているうちに、母が手紙に書いていた医者というのがこの人だという事が分かりました。
私は思い切って主治医に、
「変な事を聞きますが、母と食事か何かに行ったことがありますか?」
と聞いてみました。
「確かに食事に誘われたことはあったんですが、自分は妻子があるし、それには応えられないんですよ。」
そう言って断ったそうです。続けて
「お母さんとは何もそういった関係ではないんですよ。だから安心してください。」
先生とそんな話をしていると、病室のドアが開き、母が入ってきました。
母は何となく化粧が濃く、服もまるでデートにでも行くような、おしゃれな物でした。
聞くと、今日は仕事は休みだという事でした。
主治医は
何とかシンドロームって奴かな?