ひとりかくれんぼをやってみた

初めての一人暮らしにも慣れ平穏な日々を過ごしていましたが、何か日常とは違った刺激が欲しくなり前から噂で聞いていたひとりかくれんぼという降霊術を試してみる事にしました。

儀式に必要なぬいぐるみを用意し午前3時が過ぎたのでひとりかくれんぼを開始しました。まずは手順通りぬいぐるみに対し「自分が鬼だから」と言い風呂場へ持って行き風呂桶にぬいぐるみを入れました。
居間にもどり10秒数えて風呂場にもどり「ぬいぐるみ見つけた」と言いぬいぐるみに包丁をさしました。「つぎはお前が鬼」とぬいぐるみを鬼に指名し、塩水を持って隠れ場のクローゼットの中に隠れました。

最初30分位は何も起こらずやっぱりガセネタだったのかと安心半分、落胆半分といった気持になりそろそろ終わらせるかと思っていた時の事でした。
突然部屋の方から足音が聞こえ始め、次に砂嵐の状態でつけていたテレビの音が急に聞こえなくなったと思ったら、先ほどまでより大きな音でザーザーっと音が鳴り出すなど不可解な事がおこり始めました。
暫くするとそれらの現象が止み、また部屋全体が静かになりました。ですがクローゼットの扉を隔てた向こう側に何かがいる気配を感じ私は言い知れない恐怖を感じただ息を潜めてる事しか出来ませんでした。もうこれ以上はまずいと思い終わらせる手順の通り口に残りの塩水を含み、クローゼットから飛び出しぬいぐるみのある風呂場へ向かいました。
これで終わらせらると安心したのも束の間そこにあるはずのぬいぐるみが無かったのです。すると居間のほうからギィギィという音が聞こえ始め私は焦りました。風呂場からでてすぐにある洗面台をみるとそこには用意したぬいぐるみがありましたが、そんな事今はどうでもいい早くひとりかくれんぼを終わらせるという思いでぬいぐるみに口に含んでいた塩水をかけ「わたしの勝ち」と宣言しこの儀式を終わらせることができました。

朝になり使用したぬいぐるみを燃やしながら昨晩の起きた数々の不可解な現象を思い出しながら、二度と軽はずみにこいうった降霊術はやらないと心に誓いました。