奇々怪々 お知らせ

不思議体験

ゴンゾウさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

廃刊ミニコミ「夜光」第七号を探して
長編 2026/09/03 15:32 97view

夜中の雑居ビルで、誰もいない編集室の蛍光灯が一本ずつ消えていく。交換しても、翌朝には同じ順番で切れている。最後まで残るのは、廊下に一番近い一本だけだという。

その編集室の床は緑色で、窓は一つ。

流し台の横には、印刷所から戻った雑誌を積むための金属棚がある。

『夜光』編集部の間取りと一致していた。

Mさんが気にしていた奥付は、五十二ページにある。

発行日、定価、印刷所、私書箱の番号。編集人として、四人分の名前を掲載したはずだという。

ほかの三冊には、実際に四人の名前が載っている。

しかし、Mさんが保管していた冊子には三人分しかなかった。

消された跡や印刷のかすれではない。

最初から、その場所には何も組まれていない。三人目の名前の後には余白があり、そのまま発行所の住所へ続いている。

記載されていなかったのは、Mさんの名前だった。

「名前なんて、載っていても載っていなくても同じですよ」

Mさんはそう言った。

それでも、その冊子だけは休刊から現在まで、一度も手放していない。

「私が持っている第七号だけ、私が作っていないことになっているんです」

四冊の第七号は、現在もそれぞれ別の場所に保管されている。

同じ号を所有しているという人物が、ほかに二人いる。

まだ中身は確認できていない。

3/3
コメント(0)

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。