冷たい秋の風が吹き抜ける。
私と弟は、しばらくその家を見つめたまま、動けなかった。
赤い家を改めてよく見ると、聞いていた通り、家財道具はそのまま残されているようだった。
ただ、家はすっかり荒れ果てていた。
窓は汚れ、外から中を覗こうとしても、はっきりとは見えない。
外壁には雑草が生い茂り、近づくことさえ少し躊躇してしまうような状態だった。
それでも、もう少し近くで見てみようとした、そのとき――
「姉ちゃん!!」
弟が、悲鳴のような声を上げた。
慌てて弟を見る。
弟が見ていたのは、赤い家ではなかった。
その隣の家だった。
隣の家は赤い家との距離がかなり近く、窓から手を伸ばせば、赤い家の外壁に触れられそうなほどだった。
「どうしたの?」
弟が指差す方向を見る。
赤い家と隣の家の間にある細い道。
その隣家の外壁一面に、何十枚ものお札が貼られていた。
まるで、赤い家から何かが入ってこないように、、、
赤い家との間を遮断するかのように、びっしりと貼られていた。
私と弟は顔を見合わせた。
「言ってみようか」
私は少し躊躇したが、赤い家と隣の家の間にある細い道へ入っていった。
異様だった。
壁にはお札が何枚も、何枚も貼られている。
そのすぐ隣では、赤い家の小さな窓が所々割れ、外壁も朽ち果てている。
お札が貼られた家と、荒れ果てた赤い家。
その二つが、異様な距離で並んでいる。
細い道を抜け、反対側へ出た。
その瞬間
今度は私が弟の腕を思い切り引っ張った。
弟が驚いて悲鳴を上げる。
「なんだよ!?」
弟が驚いた顔で振り返る。
私は、何も言わずに前方を指差した。
「あれ……見て」
そこにあったのは、小さな石だった。
一つではない。
大小さまざまな石が、いくつも重なるように置かれている。
大きめの石もあれば、小さな石もある。
平らな石もあった。
最初は何なのか分からなかった。
けれど、よく見ると――
それは墓だった。
名前も刻まれていない。
墓石と呼ぶにはあまりにも小さい。
花もない。
水もない。
誰のものなのかも分からない。























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