五
その後、調べて判った事がある。あの「子供が七歳になる時、親の血を付けた箸で食事させる」という儀式の名前は「箸捧(はしささげ)」というらしい。箸捧では、本当の自分の子供で無くても儀式をすれば自分の子供という事になるという。そして箸捧をする際、体に近い方の箸に父親の血、もう一本の箸には母親の血を塗るんだとか。ちなみに箸捧をする際に使用する箸は全て、木製で「赤色」なんだそうだ。
片ノ葉さんの家を訪ねた翌日。我々は設置したカメラを回収する為、片ノ葉さんの家を再度訪れた。
家の呼び鈴を押すと、昨日と同じように片ノ葉さんが玄関を開けた。
「カメラですね!どうぞ入ってください!」
一階のカメラは見代塚と綿岸が、二階のカメラは俺と戸崎が回収する事になった。関宮はその間片ノ葉さんに詳しい話を聞く。
「ん?」
戸崎が二階の和室にある小さな棚の上を見て、顔を顰める。
「どうした、戸崎」
「なんか〜…昔の写真みたいなのがあります」
それは中年の男性が一人、写っている白黒の写真だった。大分古いようで、所々破れたり染みが付いていた。不意に戸崎はその写真を手に取る。
「おい、勝手に触らん方が…」
「裏面に名前が書いてありますよ〜。ほら。」
そこには、「見代塚源蔵(みよづか げんぞう)」と書かれていた。
「見代塚さんと同じ名字ですね〜」
「それ俺が同じ事言って怖がってたぞ」
とその瞬間、見代塚が勢いよく襖を開けて部屋に入ってきた。見代塚の話をしていた為、俺と戸崎は吃驚(びっくり)した。
「ヤバいっすよ!」
「うぉっ!?なんだ、見代塚」
「なんか映像にヤバいのが写ってるんすよ!」
そう言って見代塚が見せてきた映像には、リビングとキッチンが映っていた。キッチンには箸が何膳も束になって置かれている。
「多分ここら辺っすね…」
見代塚が映像を早送りする。と、映像の中で異変が現れた。
「何だ…?これ…」
キッチンに置かれている箸の束。そこから何か、どす黒い液体が滲み出る、というか箸からゆっくりと湧き出ていた。
「これ、血だと思うんすよ」
撮影時リビングには電気が着いておらずカメラは赤外線に切り替えていた為、映像は白黒で赤色かは判らないのだが、そう言われるともう血にしか見えなかった。その時。
「ゴンッ…」
何か白い球体のような物が箸の束の上に落ちてきた。
「…北空さんっていう投稿者の話、覚えてるっすか?」
「ああ…」
























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