仕事帰り、いつもの帰路を歩く。暗闇に飲み込まれた空は果てしなく続いていて、何だか気分が上がらない。その時。
煌々と灯る電信柱の下に何かがいる事に気付いた。視線をふっと下へ向けると。
それは美しい毛並みに黄色い瞳の黒猫だった。ぼうっ、として歩いていたから気付かなかったのだ。
首輪は着けていおらず、近くに段ボールがあった為捨て猫だと判った。
拾おうか迷った。けれどその時仕事で疲れていて、私はその黒猫を拾わず横切った。
翌日の晩。
仕事から帰っていると、また黒猫が居た。可愛らしい瞳で見つめてくる。私は居た堪れなくなって近くにあった段ボールに黒猫を入れ、連れて帰った。
「…だから帰らせてください、刑事さん。猫にご飯をあげないと」
「何度も言いますが…」
あれは黒猫じゃなくて、あなたが殺した女性の頭ですよ。
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