『箸の先端に直径二cmくらいの白い球体のようなものがついている事に気付きました。何だろうとよく見て、それが何か判った瞬間、私は箸を放り投げてしまいました。何故ならその白い球体は、「眼球」だったからです。』
映像に映っている白い球体。それも約直径二cmくらい。つまりこれは…
「眼球…?」
その後急いでカメラを回収し、片ノ葉さんの家から逃げるように去った。
六
我々はスタジオに戻ってからカメラの映像を最初から最後迄見直した。すると、
「何だこれ…?」
箸の束から湧き出ていたどす黒い液体が、シュルシュルと箸の束の中へ逆再生されたかのように戻ってゆく。
「ゴトッ…」
そして、箸の束の上に乗っていた眼球と思われる物がキッチンから床へ転がり落ちたのだ。運悪く、床は映像に映っていなかったのでその後眼球がどうなったのかは不明である。
「この眼球、何なんっすか…箸に取り憑いてんすか?」
見代塚に聞かれるが、何も判らなかった。
「箸に取り憑いてるかは判らん。あと、二階の和室の映像、まだ見てないんだ。」
「あ、じゃあ見ましょう」
そう言って二階のカメラの映像を見たものの、そこには特段、幽霊とか怪奇現象は映っていなかった。
「何も無いっすね。オーブ(霊体エネルギーによる光の球体)っぽいのは映ってるんすけど」
「この部屋物置として使ってたみたいだし、ただの埃だよ」
「そうっすよね…」
すると急に戸崎が思い出したように話しだす。
「あ〜、そういえば、なんか変な写真見つけたんですよね〜」
ポケットからガサゴソと何かを取り出す。何だか嫌な予感がする。
「おい、お前あの写真持って来たのかよ!」
見事予感が的中した。それはあの時の、裏面に「見代塚源蔵」と書かれた男性の写真だった。
「何すか?この写真」
「人の家の物勝手に持ってきたんですね…」
「お、これ見代塚さんと同じ名字じゃないですかぁ」
そういえば、関宮と綿岸もこの写真を見るのは初めてだった。
「やめてくださいよ、怖いんすから」
「でも、見代塚さんの名字って珍しいですよねぇ。もしかしたら…」
「…な訳無いっすよ」
そう言う見代塚は、どこか動揺していた。
「…あ、そういえば角見D」
「何だ?」
「実は急用が出来ちゃって、明日から三日間実家に帰る事になりました。」
「はぁ?お前がこの題材やりたいって言ったんだろ?」
「ほんとすんません。でも実家があの区域の近くなんで、色々調べてみますよ」
それから三日間、見代塚以外の四人(角見(俺)・関宮・綿岸・戸崎)で調査する事になった。
「っていうかぁ、これ元々見代塚さんがやりたいって言ってたんですねぇ。知りませんでしたぁ」
「あ〜、確かにそうですね〜」
「お二人とも知らないでやってたんですね…」
ちなみに綿岸にも言ってはいなかった(言い忘れていた)が、見代塚と綿岸は割と話している事が多く、綿岸は見代塚から直に聞いたのだろう。
見代塚が居ない間、我々四人は色々と調べてみたのだが、判ったのは見代塚区域の北側(ギリギリ外)に「箸見大社(はしみおおやしろ)」という神社が建っている事だけだった。
「全然新しい情報が無いですね。暇です」
「暇なら、もうちょっと調べてくれ」
「調べても何も情報が出ないから暇なんです。じゃあどう調べればいいんですか。」
「見代塚区域に絞らず、神奈川県全体で何か風習を調べればいいんですよぉ。」
「そう言うお前も漫画読んでるじゃねえか」
「ええ?この漫画の著者は神奈川県出身なんですよぉ?何か情報があるかもしれないじゃないですかぁ。それに、昼寝してる戸崎さんよりマシですよ」
もう何もかもグダグダになっている。とその時、俺のスマホに電話が掛かってきた。それは見代塚からだった。通話のスピーカーをONにし、電話に出る。
「もしもs」
「ヤバいっす!とんでもない事が判りました!今すぐこの題材やめましょう!」



























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