最近僕は一人暮らしを始めた。
不動産屋で家賃が安かった部屋に住み始めてから、一つ困った事がある。
よく、箪笥(たんす)の角に小指をぶつけるのだ。
僕の不注意だというのは判っているのだが、それにしてもよくぶつける。
ある日、足の爪を切ろうとした時に気付いた。
小指に紫色の痣(あざ)が、そして爪周りは膿(うみ)が出来て腫れていた。
流石に可怪(おか)しいと思い、皮膚科へ行った。
「何でこんなになるまで放置してたんですか!?」
「今朝気付いたんです」
「痛みとかで気付けたでしょう」
「麻痺してるんですかね」
「っていうかこれ骨折してるかもしれないですね。レントゲン撮りましょう」
レントゲンを撮ると、本当に骨折をしていた。専用のテープを貼って貰い、家に帰った。どうやら自然療法と言って、入院しなくても大丈夫らしい。
ただ、箪笥にぶつけただけで骨折をするとは思いもしなかった。
流石に箪笥の位置を変えるべきだ。僕はそう思って箪笥を見た。
ふと気付く。
その箪笥というのは部屋の角にあり近くに扉などは無い。よく使う物も特に入れておらず、そこまで物を取りに行く事も無い。
僕は何をする為に箪笥のぎりぎりを通っていたのか?
あまりお金は無かったが、僕は恐ろしくなって引っ越しをした。
その後不動産屋から聞いた話だと、どうやら過去にその部屋で亡くなった方が居るらしい。それが丁度、箪笥の目の前で母親が心臓発作を起こして。
母親と息子の二人暮らしだったそうだが、息子は母親の亡くなる瞬間目の前に立っていたそうだ。その後息子も母親の目の前で亡くなっているのを発見されたからだ。
僕は毎日、その母親の亡くなる瞬間を見ようとしていたのだろうか。
そういえばあの箪笥は元から部屋に付いていたのだが、中に一錠だけ見知らぬ薬が入っていたような気がする。
























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