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呪い・祟り

プルプル布顚🍮さんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

一膳の箸から始まる怪談
長編 2026/06/22 12:22 1,036view

———一ヶ月後———

 「ん〜、焼肉美味しい〜!」
あの後無事に珠香は意識を戻し、すぐに退院する事が出来た。見代塚区域の謎も解け、番組は今編集中のようだ。色々とハプニングはあったものの、改めてこの「見代塚区域」という一膳の箸の話から始まった調査が幕を閉じたのだ。
 「退院すぐに奢ってもらうのなんか申し訳ないなぁ」
「いいんだ。焼肉奢ると言ったのは私だし、早かろうが遅かろうが変わらない。それに希菜子もやっと能力が使えるようになったからそのお祝いも兼ねてる」
「ありがと〜」

—————————

 「蔦雪D」
「なんだ?」

「最近なんか楽しそうっすね」
「ああ、見代塚区域について調査してみて、色々ハプニングはあったものの調べる楽しさが判った気がして…」
「『心霊事件と箸の謎』はどういうオチにするんすか?」
「…う〜ん、でも、全部そのままはやめておいた方がいいと思うから、脚色を加えるよ」
「俺もその方が良い気がします」

エピローグ

 箸の話を「凸撃!心霊事件の真相」に投稿してからもう一年。私・安里田(本名:片ノ葉)は、今日テレビを点けるとこんな番組がやっていた。
「これは、『凸撃!心霊事件の真相』に何があったのか調査する『心霊事件と箸の謎』という番組だ。」
 それまで私はすっかりあの話を忘れていた。

 実を言うと、あの箸は旅行で買ったんじゃない。
 私は生まれてすぐに親戚に預けられて、あまり親の顔を覚えていなかった。親戚に預けられる時に、私は母親から一膳の赤い箸を貰った。その箸が、毎晩午後七時二三分に落ちるのだ。
 箸に刺さっていた眼球は本当である。けれど、私は放り投げるなんて事はしなかった。不思議と、怖くなかったのだ。
 私はテレビ番組を見て、もう一度親に会いに行こうと思った。もう一度、見代塚区域へ行こうとした。
 けれど可怪(おか)しいのだ。
 どれだけ調べても見代塚区域、いや、柄洲駅、神奈川県石里市なんて存在しないのだ。
 じゃあ番組は。
 ネットで調べても「凸撃!心霊事件の真相」「心霊事件と箸の謎」、水神珠香や澄龍希菜子という霊能者も全く出てこない。
 
 私の親はどこにいるのか?
 あの区域はどこにあるのか?

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