家は残った。
道具も残った。
食事も残った。
だが人だけ消えた。
警察も調べた。
分からなかった。
—
それ以来。
山の向こうから時々誰かが来る。
—
「誰かって?」
老人は首を振った。
「誰かじゃない」
「じゃあ何です?」
「分からん」
—
その夜。
私は眠れなかった。
午前三時。
ふと目が覚めた。
静かだった。
鈴も聞こえない。
安心しかけた時。
気づいた。
—
天井裏で足音がする。
—
ミシ。
ミシ。
ミシ。
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