玄関から上がると、右手にある部屋を映し出す。
半端に開いたガラス戸の引き戸を開いてみると、そこは居間だったのか、テーブルやタンスが残されていた。
床には衣類が散らばり、その衣類の隙間からは子供向けの絵本が覗いていた。
かつての生活の一端が垣間見える。
次に映像は左側に流れた。
開かれたガラス戸の先に布団が敷かれていた。隣は寝室のようだ。
布団が三組。両親と子供の三人家族だったのだろうか。
「おーい。」
突然、男性の呼ぶ声がした。
「なんだよ、親父!」
下のガレージから、ケンさんの親父さんが呼びつけていた。
「ちょっと機械取り出したいから、バイクの周り片づけてくれー。」
「おーう。今行くー。悪いな、ちょっと外すから二人で見てろ。」
そう言うとケンさんはガレージへと下りて行った。
ノリ君とやれやれと言った感じで顔を合わせ、再びテレビに目を向けた。
映像では何やら、タンスの中を物色しているようだ。
しかし、少しばかりの衣類が残されているだけで、ここの家族に繋がるようなものは出てこない。
その後、カメラは居間から全体を映すように動き始めた。
タンスから寝室、居間の入口の方へと映像が流れて行った時、
「うわっ!なんかいた!」
ノリ君が後ろに飛び退くような仕草をした。
「え?なになに?お化け?」
何も気付かなかった私が茶化すように聞くと、
「寝室の布団の上に何かがいた気がする。わかんないけど、え?」
ノリ君は口を覆うように手をかざして、何かにおびえているようだった。
いつも陽気なノリ君の反応に影響されたのか、私も急に緊張し出して、自分の心臓の鼓動を感じ始めた。
映像は再び寝室の方へと向けられていく。腕組みをしている手にも力が入る。
寝室には三組の布団が並べられていた。
他に特別変わったところもなさそうだ。
「ビビって何かと見間違えたんじゃないの?」























※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。