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心霊

卯鷺さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

海辺の廃墟
長編 2026/06/08 17:14 221view

玄関から上がると、右手にある部屋を映し出す。
半端に開いたガラス戸の引き戸を開いてみると、そこは居間だったのか、テーブルやタンスが残されていた。
床には衣類が散らばり、その衣類の隙間からは子供向けの絵本が覗いていた。
かつての生活の一端が垣間見える。

次に映像は左側に流れた。
開かれたガラス戸の先に布団が敷かれていた。隣は寝室のようだ。
布団が三組。両親と子供の三人家族だったのだろうか。

「おーい。」

突然、男性の呼ぶ声がした。

「なんだよ、親父!」

下のガレージから、ケンさんの親父さんが呼びつけていた。

「ちょっと機械取り出したいから、バイクの周り片づけてくれー。」

「おーう。今行くー。悪いな、ちょっと外すから二人で見てろ。」

そう言うとケンさんはガレージへと下りて行った。
ノリ君とやれやれと言った感じで顔を合わせ、再びテレビに目を向けた。

映像では何やら、タンスの中を物色しているようだ。
しかし、少しばかりの衣類が残されているだけで、ここの家族に繋がるようなものは出てこない。

その後、カメラは居間から全体を映すように動き始めた。
タンスから寝室、居間の入口の方へと映像が流れて行った時、

「うわっ!なんかいた!」

ノリ君が後ろに飛び退くような仕草をした。

「え?なになに?お化け?」

何も気付かなかった私が茶化すように聞くと、

「寝室の布団の上に何かがいた気がする。わかんないけど、え?」

ノリ君は口を覆うように手をかざして、何かにおびえているようだった。
いつも陽気なノリ君の反応に影響されたのか、私も急に緊張し出して、自分の心臓の鼓動を感じ始めた。
映像は再び寝室の方へと向けられていく。腕組みをしている手にも力が入る。

寝室には三組の布団が並べられていた。
他に特別変わったところもなさそうだ。

「ビビって何かと見間違えたんじゃないの?」

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