そして自らも隣に座ると、あずさの肩にそっと手を回した。
彼方に臨むのは、
レインボーブリッジ
芝浦ふ頭
※※※※※※※※※※
そして綺羅がしばらく目前に広がる光景に目を奪われている、正にその時だった。
潮風に煽られ、
あずさのピンクのニット帽がふわりと宙に浮く。
彼は反射的に掴もうとした。
だが次の瞬間、
それは風にさらわれるように、
海の方へ転がっていった。
綺羅は立ち上がり波打ち際まで走ると、ニット帽の行く末をただ呆然としながら目で追っていた。
海面上数メートルで風に翻弄され、まるで楽しげに踊っているかのようなニット帽。
彼はその様子を見ているとなんだか楽しくなり、その動きにあわせてマエストロが指揮棒を振るように両手を動かす。
その時だ。
ゾクリと綺羅の背中に冷たいものが走る。
というのは彼には確かに聞こえたのだ。
背後から
少女が
吹き出すような笑い声が、、、
【完】
前のページ
8/8
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 4票




























※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。