・
・
・
彼方に広がる水平線から微かにのぞく朱色の太陽。
そろそろ夜は終わろうとしているようだ。
綺羅の運転するバイクは台場11号線に乗るとレインボーブリッジを走り抜け、やがて平地を走り出す。
後部座席に座っているのは、ピンクのニット帽を被った女の子。
背後から抱きつくように両腕を彼の腹部に回している。
綺羅は後部座席からずり落ちないよう、
彼女の身体を何重にもロープで固定していた。
信号待ちで横に止まったタクシーの運転手が、一瞬こちらを見た。
だがあわててすぐに視線を逸らした。
辺りはだいぶん白んできていた。
※※※※※※※※※※
明け方のお台場海浜公園の浜辺に、人影はほとんどなかった。
駐輪場にバイクを止めた綺羅は靴を脱ぎ裸足になると、ピンクのニット帽に同色のパジャマ姿のあずさを下ろし抱き抱え歩きだす。
波は穏やかだった。
潮風が彼のライトブラウンの髪をわずかに乱している。
綺羅はあずさの耳元でささやく。
━あずさ、寒くないか?
肉は削げ落ち痩せ細り、枝のような手足のあずさから返事はない。
やがて彼は立ち止まり慎重に彼女を砂地に下ろす。
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 3票




























※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。