その後、私は道路で見つけた腕時計を警察に渡した。警察の方は「この前遺族の方に渡した筈なのに」と不思議がっていた。そして、私は警察の方にとあるお願いをした。
私「…濱野茂さんの遺品って他に残ってたりしますか?」
警官「?遺族の方が持ってらっしゃると思うのですが…」
私「あの、濱野茂さんのパソコンやスマートフォンの購入履歴を確認してください!」
警官「何故です?」
私「被害者・犯人と同じ高校に通っていたという女性に話を聞きました。どうやら、被害者・濱野茂は犯人・寺田拓真に虐められていたそうです。だから、なんとなく嫌な感じがして…」
警官「…分かりました。少し調べてみましょう。」
数日後。
警察の方から連絡が来た。
まず、パソコンの購入履歴にGPSや盗聴器があった事。遺品の中に動物の血液が付着したカッターが見つかった事。
…そして、以前濱野茂が住んでいたアパートの床下から大量の小動物の死骸が出てきた事。
どうやらその小動物の死骸は、生前濱野が創作していた作品の動物そのものだった様だ。
その後寺田は釈放された。これでもう、全ての謎は解けたのだろう。
…けれど、私はもう夜の散歩に行けそうに無い。何故なら…電柱の下、電灯に照らされている不気味な笑みを浮かべた男が、まだ其処に佇んでいるのだから。
ー ー ー ー ー
「おかあさん、ねむれないから、ちょっとさんぽいきたい!」
あれから十数年。結婚し、娘も生まれた。
私「ん〜、危ないから少しだけだよ?」
娘「うん!」
久しぶりの夜の散歩だ。星がちらちらと輝き、ひんやりした風が体を包み込む。
娘「おかあさん…」
急に娘の足が止まる。
私「どうしたの?」
娘は少し離れた電柱を指差す。
娘「あのおじさん…わらってる…」
娘の指差す電柱の下には、亀裂の入った、白いベルトの腕時計が落ちていた。



























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