ヒキニートの野望が世界に露出した。
拾った大きめの石をコンビニのガラスドアに向けて思い切り投げつける。
ぶち割れたドアをさらに蹴破って、コンビニの中に入る。
まずはレジに向かってガシャガシャやって金を強奪しようとしたが、
途中で気がついた。カネなど無意味だ。この世界に経済はない。
カネという概念そのものが不要になったのだ。
カネはいらん。まずは食い物と飲み物だ。
電気の止まったコンビニ内に、冷蔵されたものはひとつもない。
常温のペットボトル。飲み物はこれで十分だ。酒もある。飲み放題だ。
食い物は・・・カッチカチになったレジ横の肉まん。変色したおでん。
カビが浮かび上がり始めている食パン。
・・・自分のアホさ加減にだんだん苛立ちが募ってきた。
なんで・・・、なんでもっと早くに気づかんかったんやぁぁぁぁ!!
家でサバイバルしとった一週間、ワイは何をしとったんや!!
ティッシュに醤油をつけて食おうとまで考えていたのに!!
こんなことなら・・・初日に外へ出ていたら・・・
好きなもん、なんぼでもタダ食いだったやないけ!!
あまりに自分の情けなさに怒りで涙も出てきた。
ひとしきり地団太を踏んでみたが騒いでも仕方がない。
ここは冷静になって探索の再開や。
お菓子類はたぶんまだいける。缶詰はもちろんいける。
カップ麺もたくさんあるが、今はお湯を沸かす手段がない。
ポテチを食いながら店内を徘徊するが、もっといいことを考えついた。
量販店や・・・。大通りまで出れば大規模な量販店がある。
そこへ行けばここよりもっと食料があるだろうし、カセットコンロや発電機もある。
テレビが付くかどうかはわからんが、電池式のラジオを使えば、世界が今どうなっているのか、もっとよくわかるやろう。ワイが本当に世界のキングなのか、みじけぇ夢で終わるのか、ハッキリする。
ワイは、カギのかかってない自転車を盗んで・・・いや、この世界のものはすべてワイのものなんやから盗んだんちゃう。・・・ワイは自転車に乗って量販店へ向かったンゴ。
・・・・・・・・・・・・
量販店までの道のりは、さらに異様な雰囲気やった。
大通りのど真ん中に停止しているクルマたち。
しかも大事故を起こしている。
カーブを曲がり切れずにセンターラインをオーバーしたクルマ、
ガードレールにぶつかっているクルマ、
そしてまたそれらに追突しているクルマ・・・























Mameです。
今回の作品は狭い世界で生きる主人公に、突如として夢のような広い世界が与えられるとどうなるか、
その落差が楽しい作品となりました。
そしてラストは実験的なマルチエンディングとしました。
希望と絶望、そのどちらも楽しめます。
絶望を味わいたくない人は途中で見るのやめてください。
よかったら、あなたがどちらのエンドを選択したか、書き込んでくれると嬉しいです。