止める間もなく、女は赤子をトイレに投げ捨て、水を流した。
えぇっ!??
赤子の泣き声が排水管を伝ってまだ聞こえる。
だんだん遠くなる。
な、なにしてんだよ!!
ボクは慌てて走り出した。アパートを出て外へ飛び出す。
遠くで赤子の泣き声がする。
マンホールから??
でもその声もどんどん小さくなっていく。
もうどこへ行ったか分からない。
トボトボとアパートへ戻ろうとすると、あの女が大きな手提げ袋にパンパンに荷物を入れて外出しようとしているところだった。
「ま、待ってよおばさん、どこに行くんだよ!!」
「逃げるんだよ! もうこんなところはコリゴリさ!! 兄さんも早く逃げな!!」
「ちょっと待てよ、あんた赤ちゃん殺したかもしれないのに、逃げるなんて!」
「警察でも呼ぶっていうのかい?? あんた、あれが本気で人間の赤ちゃんだと思ってるの?」
そういわれて絶句した。
「アレはねぇ、2年前にワタシが殺した赤ちゃんさ! うわぁああああ!!」
女はそう泣き叫んだまま、走り去っていった。
どうしたら・・・ボクももう部屋には帰りたくない。
ボクは新歓コンパで仲良くなった女の子のところにラインしてみた。
すぐに返事が来た。
(こっちおいでよ)
深夜1時をまわっていたが、彼女はまだ飲んでいるらしかった。
どうやら朝まで飲むらしい。
ボクもそっちに合流するしかない。もう部屋には戻りたくない。
結局ボクは朝まで飲み明かして、彼女の部屋に転がり込んだ。
その後ボクはアパートを引き払い。彼女と同棲して学生生活を送った。























Manaです。ずいぶん前に書いた「アパートの赤子」というショート作品を、加筆修正して再度アップしました。
実は前回とは大幅に内容を入れ替え、まったく違う話になっていますので、加筆修正というよりはほぼ新作です。まぁ胸クソ系かもしれません。
自分、よく言われるんです。泣ける話から胸糞な話、名作からゴミみたいな話まで「振り幅」が大きいと。まぁでも、おもしろいでしょ?感動系かなぁと油断して読んでたら突然胸糞だったり、胸糞かなぁとおもってドキドキしてたらすごい感動系で泣けたとか。最後まで油断できないでしょw
作者は二重人格なんだと思ってください(笑)