私は大学生になると同時に一人暮らしを始める事にした。都内で安い物件が無いかと探していると、築三十年・家賃三万円のマンションの一室を見つけた。
私「…事故物件じゃないですよね…?」
不動産屋「あまり言えないのですが、過去にこの部屋でそういった事故や事件は一件もございません。」
…正直、他の物件は何処も家賃が高く住めそうに無い。後日、この物件の内見に行くことにした。
管理人「こちらが301号室です。」
マンションの管理をしている方に色々と説明を受けながら家の中に入っていく。入って右側に脱衣所・風呂場、反対側にトイレがあった。そのまま廊下を進んでいくとリビングと寝室があり、思いの外広い。
管理人「リフォームをするので、今と打って変わってすごく綺麗になりますよ。」
広さもそこそこあり、日当たりも良い。それなのに家賃は三万円。リフォームをすれば新築同然。こんなにも好都合な物件は他に無いだろう。私はその部屋と契約し、住むことにした。
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一日目
聞いていた通りリフォームした部屋は見違えるほど綺麗だ。大家さんもとても良い人だった。けれど、何か違和感がある。きっと初めての一人暮らしに慣れていないだけだろう。今日の天気は快晴。空は青く透き通っている。今日は大学が休みの為、のんびり過ごす。
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二日目
朝、ぱらぱらと雨の音が聞こえて目が覚めた。どれ程降っているだろうとカーテンを開ける。が、雨など降っていなかった。きっと寝ぼけていただけだ。私は特に気にも止めず大学に行く準備を始めた。
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三日目
今朝も雨の音がして目が覚めた。けれどカーテンを開けるとやはり晴れている。私が疲れているだけなのだろうか。私は、何となくカーテンを閉めた。すると、雨音が聞こえた。気の所為ではなかった。どうやら、カーテンを閉めている時だけ雨音は聞こえるらしい。私は大家さんにこの事を話した。
大家「A(私)さんは初めての一人暮らしだし、疲れてるんじゃない?」
私「…そうですか」
結局話はこれで終わってしまった。
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四日目
「今日の天気は快晴です。」
テレビのニュースではそう流れている。けれど私の家は相変わらず雨の音で包まれていた。何故この部屋は雨音がするだろう。私は過去にこのマンションで事故が起きていないか調べた。でも、やはり事故など起こっていなかった。カーテンを開ければ快晴。だが、カーテンを閉めた私の部屋は雨の音と静寂で包まれていた。
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五日目
私はまだ調べていないことがあった。それはマンションの「外」での事故だ。すると、こんな記事を見つけた。
「20◯◯年 東京都◯◯区 小学三年生の 浅山 千春 さんが交通事故で亡くなりました。雨で見通しが悪く、この様な事故が起こったと思われます。」
マンションから少し離れた道路での事故。絶対にこの子だ。直感でそう感じた。でも何故私の部屋で雨の音がするかは分からなかった。























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