金貸しの日常
投稿者:miya (2)
昔、まだ昭和中ごろの、普通に街にゴリゴリのヤクザがいっぱい居た時代の話。
俺は○○系暴○団の傘下の、割と下の方の企業で働いてた。
いわゆる○○組と名前が付くような会社。
俺はそこの見習い的ポジションに居て、組長、若頭、先輩方が居て、俺に仕事を教えてくれるのは「神崎」という30歳のめちゃくちゃ怖い兄貴だ。
何故俺がここに入ったかと言うと、話せば長いんだが、高校時代に暴走族に入ってイキりまくってたら、普通のトコに就職できるだけの頭が無かったから、先輩の紹介でここに入る以外になかったんだ。
普段は事務所で掃除や雑用、皆が出払ってる時は事務所で電話番など、簡単な事ばかり。
ただおそらく普通の会社と違うのは、「出来なかった時」・「失敗した時」の怒られ方が尋常じゃないくらいヤバい。
ヤクザが出てくる漫画読んだ事ある?事務所が有って、机の上にだいたい「ガラスの灰皿」が置いてあるんだけど・・・あれはたいてい「やらかした奴をぶん殴るため」に使用される。
でもぶん殴られたとしても決して言い訳を並べてはならない・・・どんなに理不尽であっても、必ず上の人が正しい世界なのだ。
「お前は要領がわりぃ、しばらくは俺が指示出すから、そのように動けな?」
そう言ってくれているのは、俺に仕事を教えてくれている神崎さんだ。
見た目こそ怖いが、きっちりやるべき事を指示してくれる。
でもこれにはちゃんと理由が有る。
俺がやらかした場合、神崎さんにも連帯責任で罰が下るんだ。
「部下の責任は上司の責任」なので、正直お互いビビってる。
主な業務は、「債権者へのお金の集金」「協力企業への集金(みかじめ料)」その他色々。
その事務所によって業務内容は変わるが、ウチの事務所はそこまで大所帯じゃないから、月のノルマもそこまで重たい物じゃなかった。
掃除や雑用も形になってきた頃、神崎さんが「おい、お前も今日から現場に行くぞ」と言った。
俺はこの時内心ワクワクしてた。やっと仕事が出来るのだと。
ヒトコワですね
暴対法もない時代は仕事もしやすかったでしょうね
今は闇バイトの元締めなど考えて稼がないといけないので、
アウトサイダーの人たちも大変でしょう