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ヒトコワ

沈丁花さんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

ファントムペインの告白
長編 2026/03/06 15:34 1,905view

 このように普段は俺をいないもののように扱うくせに、俺がクラス対抗競技の練習中にへまをやらかすと、クラスの代表格である二人組が俺を悪い例としてつるし上げた。校内合唱コンクールの12日前に、俺だけテノールからバスに移されたことは今でも理不尽に感じ、屈辱感を忘れられないでいる。因みに、先述したCは、この代表格たちととても仲が良かった。

 

 

 俺はそんな地元に見切りをつけ、ひとり遠方の高校や大学に進学し、他県で就職した。だが、人格形成期に辛くてたまらない学校生活を送ったことは、俺の人生に大きな影響を与えた。その中で最たるものが【人間不信】というやつだ。

 俺はいつの間にか、自分の誕生日に疑いを抱くようになっていた。毎年、親兄弟が俺の誕生日に立派なケーキを用意して祝ってくれていたのにだ!加えて、父方の祖母が俺が生まれた時の様子をよく覚えていてくれたのに、俺は祖母とは違う血液型だと思い込んでいた。(これについては、大学時代に献血をした際に、祖母と同じ〇型であることを確認した。)俺の家族は噓のない人ばかりなのに、俺はつむじまがりの、善良な人を信じられない人間になり下がっていたのだ!

 小4の頃に、Aという男子児童から「お前は一生結婚するなよ!」と言われたことは、じわりじわりと、しかしながら着実に、俺の自尊心を蝕んでいった。それでも、大切な彼女が俺を伴侶に選んでくれた時、俺はやっとAの呪縛から解放されることができた。俺はその時初めてAに、

「俺はもう、あんたの言うことは聞かない!だからさようなら。」
と告げ、退けることができたのだ!

 また、5年生の時に「俺たちがクズならお前は下等生物だ」と俺を罵ったDに対しても、
「あんたは自分の葬式でも、誰にも泣いてもらえないよ。どこに行っても必ずその下劣な本性を出し、結局は信用をなくすだろうね。」
と、反撃することができた。

 結婚するために戸籍謄本を取得したときに、俺は自分の誕生日が親の言うとおりだったと思い知った。

 詰まるところ、実に皮肉なことに、俺は【学校で受けた心の痛みをいやす環境を与えてくれる人達よりも、酷薄非情な人でなし共の言葉を信じる】ようになっていたのだ!

 この中には、過去にいじめに加わったことを悔いていて、俺の言葉にヒヤリとした人もいらっしゃるかもしれない。辛辣なことを言うが、一つの意見として聞いてもらえると嬉しい。

 言葉でも身体的なものでも、暴力は相手になかなか治らない深手を負わせてしまう。いじめた相手に心をこめて「あの時はごめんなさい」と伝えても、相手にとってはとても身勝手でズルい行為でしかないだろう。だって、自分が良心の呵責から解放されたいから謝るのだろう?本当の意味で許してもらいたいなら、いじめた相手が苦しんだ分だけ時間を返してやってほしい。・・・・・・いじめられっ子だって、いじめられっ子だってさあ、苦痛に顔をゆがめ、悩むことにたくさん時間を使ってきたのだからよぉ!

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コメント(6)
  • 花蘇芳(沈丁花)です。時間を戻すことなどできません。叩いて埃が出ない人なんかいません。ここで綺麗な御託を並べてばかりいた俺だって当てはまりますが、これからは真っ当に生きるしかありません。

    2026/03/06/15:54
  • 花蘇芳です。「いじめっ子への本当の復讐は、被害者が幸せになること」とよく言われていますが、俺は「不幸せにならないこと」だと考えています。結婚や出産も幸せの一つですが、幸福の形は千差万別であり、個々人が決めるもの。やや抽象的な表現ですが、他の悪意ある人に振り回されずに、自分の人生を後悔のないように生きることが、いじめからの脱出と言えるかもしれません。

    2026/03/06/19:54
  • 花蘇芳(沈丁花)です。第9作『積もり積もった痛みの果てに』でせっかく切実なコメントを頂いたのに、返信ができずに誠に申し訳ありませんでした。10/18のコメントが反映されたのは、なんと年明けでした。丁寧な感想をいただき、お返事をしたかったのですが、そのタイミングが分からないままでいました。本当に申し訳ありませんでした。

    2026/03/06/20:06
  • 花蘇芳(沈丁花)です。第9作『積もり積もった痛みの果てに』で、10/18に切実なコメントを頂戴したのに、お返事が出来なくて本当に申し訳ありませんでした。システムの都合で、俺の端末にコメントが反映されたのがなんと年明けでした。別の作品は第9作とはテーマが異なり、お返事をするタイミングが分からなかったので、返信ができずにいました。誠に申し訳ありませんでした。

    2026/03/06/21:17
  • 花蘇芳(沈丁花)です。校内合唱コンクールのお話で補足があります。俺はバスのパートを歌うのが嫌だったのではありません。他の人たちの前で、俺だけ「〇〇くんは音程がおかしい」と言われ、コンクールの直前になってパートを変えられたのが納得できなかったのです。俺はコンクールを目前にして喧嘩をするのが嫌だったので、悔しさを押し殺して黙って言うことを聞きました。ちなみに、そのクラスの代表格二人はバレー部の花形で弁が立ち、クラスでもとても人気がありました。

    2026/03/07/11:30
  • 意味わからん

    2026/03/07/15:33

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