「そういや、未婚に限るんだが――好きな子と確実に結婚する方法を思いついたんだ」
俺がうっかりと口を滑らせたのは、親友との酒の席でのことだった。
「面白そうだな、聞かせてくれよ」
親友はにやにやと俺を見ていた。
迂闊だったとはいえ、話を振ったのは俺だ。
俺だけの必勝法にするつもりだったが、観念して話すことにした。
「台湾に冥婚って文化があるのを知ってるか?」
「もちろんだ。 死んだ人の写真と遺髪を赤い封筒に入れて拾わせるやつだろ?」
「そう、それだよ。 意中の女を殺して、赤い封筒にその女の写真と遺髪を入れる。
あとは、自分で拾うだけだ」
我ながら完璧すぎて、自分でも頬が緩むのがわかった。
「おいおい、それはダメだ」
笑いながら手を振っていた――全然なっちゃいないと言いたげに。
「何がダメなんだよ! 完璧だろ!」
俺はつい感情的になってテーブルを叩いてしまった。
そんな俺の剣幕にも、親友は笑いながら話を続けた。
「あれは、縁のある相手だけが拾えるんだよ。
縁のないやつは何をやっても拾えない」
しかし、俺は理解できなかった。
「置いて拾うだけだぞ? できない理由がわからん」
親友は遠い目をして言った。
「俺だって、やるまではそう思ってたさ。
でもな、有り得ないことが何回も起こったんだよ」
「何回もって、お前……」
「なんだよ」
親友が怪訝そうに俺の顔を見た。
「見ず知らずの男のために、何回もお膳立てしたのかよ」
思わず笑ってしまった。
「うるせえ」と突き出されたグラスが俺のグラスを鳴らした。

























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