夫「起きたのか。」
私「うん。おはよ」
すごい喉が渇いて、水を飲もうと立ち上がった瞬間。
家の、インターホンが鳴った。
画面を見た。またあの恐怖を思い出し、手は震えていた。玄関の外には夫が立っていた。
外の夫は目が真っ黒で白目がなく、爬虫類のようで鋭い目をしていた。例の目だ。そしてインターホン越しに私に話しかけてきた。
「ふが、なくてみてる。ふふふふふ」「ふふ」「ふふふふふふ」
と。小さくて、脊椎まで響くような声で。ドアの外の夫は、ドアを破る勢いでドンドンドンとノックしていた。私は泣きそうになりながらも、ソファに座りこっちを見る夫に声をかけた。
が、彼に反応は無かった。もう一度、私は彼に声をかけた。彼に反応はなかった。
彼の顔を見た。彼の目玉は真っ黒で、鋭かった。あの時私にみせた笑顔は痕跡さえも残っていなかった。そして、彼は私からテレビへ視線を移し、また爆笑した。
「ふふふふふふふふ」と。
前のページ
3/3
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 5票






















※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。