変な看護師さん
投稿者:ねこじろう (147)
木村が病院の味気ない昼食を食べ終え、傍らの窓から覗く鮮やかな秋の紅葉を眺めている時のことだ。
向かいのベッドで寝ていた初老の広瀬がむくりと半身を起こすと、何やらにやつきながら話しだした。
「兄ちゃん、いよいよわしもそろそろここは卒業のようや。
あんたにはいろいろ世話になったな」
木村は広瀬の方を向くと
「おめでとうございます」と笑顔で軽く礼をする。
すると広瀬は今度ちょっと険しい顔になると続けた。
「でもな、わし、ここに来てちょっと気になることがあるんや。
実はな、あんたがここに来る二日前の話やから、もう半月も前のことなんやけどな、隣部屋に岡田さんというおっちゃんが入院してたんや。わしがこの二人部屋に放り込まれるかなり前から入院しとったみたいでな、酒好きの人の良いおっちゃんで、わしと同じく肝臓やられて療養してたんや。
でもそろそろ退院も近かったみたいでな、本人もようやく解放されるって喜んでいたんや。
でもなその二日後の深夜のことなんやけど突然苦しみだしたらしくてな、看護師が駆け付けたんやけど結局亡くなってしもうたらしいんや」
いきなり聞かされた意外な事実に木村はちょっと驚くと口を開いた。
「え、本当ですか?原因は何だったんですか?」
「それがな、ここに来る看護師が言うには全く分からないということでな、医師も、、、」
ここで突然広瀬は黙り込むと、怯えた顔である方に視線をやる。
つられて木村もそっちに目をやった。
そこは病室入口の真ん前。
いつの間にか一人の女が立っている。
手足が細くひょろりとした背丈のその女は白衣姿なのだが、ナースキャップは被っていなくて頭部には毛髪が無くスキンヘッドだ。
例えて言えば頭髪のないマネキンが白衣を着ているような感じだろうか。
病院での話しは、やはり怖いですね((゚□゚;))
人の生き死にに関わるところですから、やはり怖いこともあるでしょうね
─ねこじろう
なんだチミはってか! そうです。私が変な看護師さんです。
最後の一文はあの世に連れて行こうとしてんのかな?