「りゅうくん、それ、いつ頃の写真?」
「データの記録を見たら、去年の8月となってたな」
「…………」
突然無言になるミカに坂井田は尋ねる。
「もしもし、どうした?」
するとミカは思い詰めた様子で話しだした。
「里美さ、、、
去年の8月に亡くなったんだ」
「え!?」
しばらくの間の後、またミカが話しだした。
「郊外にあるS川の岸辺で焼身自殺したみたい」
坂井田の顔色が青ざめた。
彼はしばらく俯いていたが、やがてまた口を開く。
「ということは、あの写真は、、、その時の?
いや、あり得ないだろう!
何でそんな写真が俺の携帯に?」
「そんなこと、私に言われても、、、
でも間違いなく里美は去年の8月に亡くなってる。
だって私、お通夜にも、、、」
ここで坂井田は一方的に電話を切った。
※※※※※※※※※※
その翌日のこと。
夕方から坂井田は市内のライブハウスで演奏する。
演奏中彼は客席の後ろの方に、不気味なオーラを放つ女がいることに気づいた。
その女は客席から少し離れた暗がりに、ただじっとして立っている。
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