「ヤー。ワタシ、日本の歌でとても好きな歌がありマス。こーゆー歌デス」
そう言うとリネアは母国で覚えて来たという日本の歌を歌い出した。
♪今は山中 今は浜
今は鉄橋渡るぞと
思う間も無くトンネルの
闇を通ってひろ野原
遠くに見える村の屋根
近くに見える町のノキ
森や林や田や畑
後へ後へと飛んで行く♪
(注※文部省唱歌につき著作権フリー)
「すげー、上手!! 金髪で小学校の歌出るの、なんか不思議!!」驚く朽屋。
「日本語の勉強をするときに覚えました! デモこの歌の意味が、今やっとわかりマシタ。今は山、今は浜、今は鉄橋、そしてトンネルをくぐると野原に出て、村や町、そして森に林に、・・・ライスフィールド!!・・・すごく短時間のあいだに風景が二転三転してイマス。そんなことありえないと思ってイマシタ・・・ワタシの国では、いいえ、EUでも、アメリカでも、森林に入ればずーーーっと森林、荒野に出ればずーーーっと荒野デス。なのに、日本の国土は本当に次々と移り変わって、まるで箱庭のようで見ていて飽きません!」
リネアが早口でまくしたてる。
「それに山!! フジ山はものすごくキレイだけど、他の山もみんな美しいです。日本の山は、みんな低くて、木に覆われて緑で、なんだかフンワリしていて、みんなかわいいデス!!スウェーデンの山々はみんな切り立って尖っていて、崖もいっぱいでコワイデス!!」
「へぇ~なるほどねぇ。でもスウェーデンも森の国でしょ?自然がすごくキレイだよねぇ」
朽屋も自分の知ってる限りの北欧の風景を想像しながら話す。
「確かに・・・スウェーデンの森も美しいです。今度ぜひ朽屋にも見せたいデス」
「ありがと~。ぜひ行きたいです。・・・ホテル代ないからリネアんち泊まらせてね」
「ヤー!今からその日が楽しみデス」
そこへ編集長がやってきた。
「さぁ~~もうすぐ京都だ。降りる準備しろ~~」
「んがっ!編集長酒くさっ!顔真っ赤じゃないですか!なんちゅう体たらく!」あきれる朽屋。
東京から京都まで、各駅停車のこだまで3時間半。このわずかな時間の合間に、リネアはかけがえのない体験をし、心の中にたくさん思い出を詰め込んだ。そして日本のことがこれまでよりずっと大好きになっていた。
・・・・・・・・・・・・
京都駅に降り立った編集部一行は、ここで大きく二手に分かれた。
ひとつは三上編集長率いる京都チーム3つと、経理のみどりさん率いる奈良チーム2つである。転んでもただでは起きない月刊モー編集部は、たとえ旅先といえどもこのチャンスを逃さず、地元の心霊スポットを取材してネタにするのである。この旅行だけで二回は特集を組める。ついでに地元グルメと旅行記のコラムも執筆できよう。
朽屋、リネア、九郎の三人は奈良チームに入った。
奈良チームはここからさらに近鉄京都線で45分かけて奈良へ向かうことになる。
みどりさん率いる奈良Aチームは生駒山へ、そして朽屋率いる奈良Bチームは奈良公園へ向かうことにした。

























kanaです。
久しぶりの朽屋瑠子シリーズは、なんとこれまでの最長22ページに到達してしまいました。
でもたぶん行間も多いし、読めば読めるのではないかと思います。
今回はちょっと笑えるシーン多めですかね。笑ったり、怖かったり、グロかったりしながら、ラストでジーンと来てくれるとイイなと思います。
今、コメント欄はどうも筆者以外の人は書き込めないようになっている感じですが、良いなと思った方はぜひ怖いねボタン押してってください。 ありがとうございました。
kanaです。裏話。
今回タイトルを-事件記者 朽屋瑠子-ではなく、-朽屋瑠子暗殺計画-にしようかと思っていたのですが、忘れてました。忘れてましたがこれでいいです。実はこの-朽屋瑠子暗殺計画-というのは、ウルトラセブンの「セブン暗殺計画」をネタに取り入れようと思っていたからです。なので最初にダンタリオンが朽屋をいろいろ調べるシーンがありますが、あそこはガッツ星人がアロンを使ってセブンをシベ上げるシーンのオマージュにするつもりでした。でも、ガッツ星人にはダン隊員ではなくセブンを暗殺する明確な理由がありましたが、ダンタリオンにはないので、完全オマージュは却下となりました。
後半、九郎とリネアが戦うシーンで、朽屋が「私のために争わないで!!」みたいなセリフを入れようとも考えましたが、まぁ朽屋はそんなこと言わないなとやめました。
それとリネアとのキスシーン。朽屋は感度を上げて調べ上げますが、この時の感度を3000倍にしようかと思ったのですが・・・自粛しました。さすがにそんなにないでしょと。
引き続き、お楽しみください。
↑ シベ上げる× → 調べ上げる〇
応援してます!朽屋瑠子シリーズおもろいです!by読者
kanaです。
22ページ読むのはツライけど、えっちなシーンだけどうしても見たいという御仁は、すべてをすっとばして17ページからお読みください(笑)
↑あー!
読者さんありがとうございます!
一般の方はまだコメント投稿できないのかと思ってました。ありがとうございます〜
全く九郎ちゃんがこんな悪い子だなんて(いいぞもっとやれ)。
いつも通り面白いw待ってました朽屋瑠子シリーズ!、、、いつか小説化しないかな
法王騎士団は大阪府警のマルボウですか?
↑わー、コメントありがとうございます。楽しんでいただいて何よりです。
マルボウはイタダキました。カチコミの時の「大阪(府警)じゃ!!」と略すんだなーというのが忘れられず。・・・法王騎士団、意外とコワイ。
今回は九郎大活躍ですね。しかも今回は九郎がいなかったら朽屋は死んでたかもしれないですからね。いい仕事と悪い仕事の両方を達成しました。
つなみに、自分の中での九郎は「宇崎ちゃんは遊びたい!」の宇崎ちゃん(胸はないバージョン)で、
リネアはなぜかずっと四国めたんが頭の中にいました。