「わぁお! スゴイ! テクノロージアですね!」
「リンちゃんもだんだん日本に染まってきたね、あはは」と九郎。
「シンカンセン、想像以上に素晴らしいデス!走る飛行機みたいデスね」
やがて動き出すN700系。そしてそれにも驚くリネア。
「Oh、今動いているのですか? すごく静かで、まるで滑るようになめらか・・・こんな列車世界のどこにもアリマセン!!」
子供のようにはしゃぐリネアの反応をニヤニヤしながら眺める朽屋たち。
こだまは東京を出てすぐ品川、新横浜をすぎ、小田原手前まで来るとやっと自然らしい自然が見られるようになり、一部区間では相模湾が見える場所もあった。
やがて新富士駅の手前に差し掛かり、車内に英語と日本語でアナウンスが入った。
「リネア、運がイイね。今日は富士山がすごくキレイに見えるらしいよ。右側右側!」
朽屋がリネアを窓側に寄せる。
「ねぇねぇ、富士山見ながら駅弁食べましょうよ」と九郎。
「あぁ、そうしよう。リネアはどんなお弁当にしたの?」
「ワタシは、トンカツ弁当にシマシタ」
「すっかりハマってんじゃんトンカツwww」
やがて現れる富士山の雄大な姿・・・。それを目の当たりにするリネア
「Oh・・・ヴィルケン フョーンヘート! (あぁ、なんて美しいの!)」
「ね、キレイでしょ、富士山」
「ボクも・・・こんなに間近でじっくり富士山を見たの初めてかも」と九郎。
「そうかぁ・・・そうかそうか」そう言いながら、朽屋は九郎の頭を愛おしそうにわしゃわしゃした。見過ごしていたが、九郎も不憫な幼少期を送ってきたのだ。こんな風に仲間と美しい風景を楽しむなんてことはなかっただろう。それを知っているから、朽屋は少し心が「きゅん」とした。
「フジ山のような山をコニーデタイプと言いマス。イタリアのシチリア島にあるエトナ山も、フジ山と同じコニーデタイプでよく似ていますが、エトナ山はつい先日、噴火シマシタ」
「ああ、ニュースで見たような気がする。ちなみに富士山もいつか噴火するんじゃないかって言われててね、月刊モーでも富士山大爆発とか言って特集したことあるよ。ぜんぜん爆発しないけど」
「朽屋センパイ!リンちゃん、お茶です!お弁当食べましょ」九郎がそそくさと準備をしている。有能なアシスタントである。
列車はそのまま静岡、掛川を通り、浜松を過ぎたところで浜名湖が目の前に広がった。
浜名湖第三橋梁を渡る新幹線からの眺めは、まるで湖の上を走っているかのように感じられた。目をキラキラさせてそれを見るリネア。
豊橋、美川安城を過ぎると、急に近代的なビル群が現れ始める。名古屋である。
名古屋を過ぎ、岐阜羽島、米原に入ると、今度はどこまでも広い田園風景が広がった。
その移り行く風景をリネアはいつまでも飽きることなく眺めていた。
「ねぇリネア、そんなに日本の風景を気に入ったの?」と質問する朽屋。






















kanaです。
久しぶりの朽屋瑠子シリーズは、なんとこれまでの最長22ページに到達してしまいました。
でもたぶん行間も多いし、読めば読めるのではないかと思います。
今回はちょっと笑えるシーン多めですかね。笑ったり、怖かったり、グロかったりしながら、ラストでジーンと来てくれるとイイなと思います。
今、コメント欄はどうも筆者以外の人は書き込めないようになっている感じですが、良いなと思った方はぜひ怖いねボタン押してってください。 ありがとうございました。
kanaです。裏話。
今回タイトルを-事件記者 朽屋瑠子-ではなく、-朽屋瑠子暗殺計画-にしようかと思っていたのですが、忘れてました。忘れてましたがこれでいいです。実はこの-朽屋瑠子暗殺計画-というのは、ウルトラセブンの「セブン暗殺計画」をネタに取り入れようと思っていたからです。なので最初にダンタリオンが朽屋をいろいろ調べるシーンがありますが、あそこはガッツ星人がアロンを使ってセブンをシベ上げるシーンのオマージュにするつもりでした。でも、ガッツ星人にはダン隊員ではなくセブンを暗殺する明確な理由がありましたが、ダンタリオンにはないので、完全オマージュは却下となりました。
後半、九郎とリネアが戦うシーンで、朽屋が「私のために争わないで!!」みたいなセリフを入れようとも考えましたが、まぁ朽屋はそんなこと言わないなとやめました。
それとリネアとのキスシーン。朽屋は感度を上げて調べ上げますが、この時の感度を3000倍にしようかと思ったのですが・・・自粛しました。さすがにそんなにないでしょと。
引き続き、お楽しみください。
↑ シベ上げる× → 調べ上げる〇
応援してます!朽屋瑠子シリーズおもろいです!by読者
kanaです。
22ページ読むのはツライけど、えっちなシーンだけどうしても見たいという御仁は、すべてをすっとばして17ページからお読みください(笑)
↑あー!
読者さんありがとうございます!
一般の方はまだコメント投稿できないのかと思ってました。ありがとうございます〜
全く九郎ちゃんがこんな悪い子だなんて(いいぞもっとやれ)。
いつも通り面白いw待ってました朽屋瑠子シリーズ!、、、いつか小説化しないかな
法王騎士団は大阪府警のマルボウですか?
↑わー、コメントありがとうございます。楽しんでいただいて何よりです。
マルボウはイタダキました。カチコミの時の「大阪(府警)じゃ!!」と略すんだなーというのが忘れられず。・・・法王騎士団、意外とコワイ。
今回は九郎大活躍ですね。しかも今回は九郎がいなかったら朽屋は死んでたかもしれないですからね。いい仕事と悪い仕事の両方を達成しました。
つなみに、自分の中での九郎は「宇崎ちゃんは遊びたい!」の宇崎ちゃん(胸はないバージョン)で、
リネアはなぜかずっと四国めたんが頭の中にいました。